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【経済法判例】郵便区分機談合事件 (平成19年4月19日最高裁)の要点をわかりやすく解説

郵便区分機談合事件

(平成19年4月19日最高裁)

事件番号  平成16(行ヒ)208

 

この裁判では、

独禁法「特に必要があると認めるとき」

の要件に該当するか否かの判断について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

本件審決書には,同項所定の

「特に必要があると認めるとき」の要件に該当する旨の

判断の基礎となった上告人の

認定事実を示さなければならないところ,

それが明確に特定しては示されていない。

 

しかし,本件違反行為は,被上告人らにおいて,

共同して,受注予定者を決定し,受注予定者が

受注することができるようにしていた行為であって,

担当官等からの情報の提示は

受注予定者を決定するための手段にすぎない。

 

担当官等からの情報の提示がなくとも,

被上告人らにおいて,他の手段をもって,

共同して,受注予定者を決定し,受注予定者が

受注することができるようにすることにより,

郵政省が一般競争入札の方法により発注する

区分機類の取引分野における競争を

実質的に制限することが可能であることは明らかである。

 

このような見地から本件審決書の記載を全体としてみれば,

上告人は,

① 被上告人らが,担当官等からの

情報の提示を主体的に受け入れ,

区分機類が指名競争入札の方法により発注されていた当時から

本件違反行為と同様の行為を長年にわたり恒常的に行ってきたこと,

② 被上告人らは,一般競争入札の導入に反対し,

情報の提示の継続を要請したこと,

③ 被上告人らは平成9年12月10日以降

本件違反行為を取りやめているが,

これは被上告人らの自発的な意思に基づくものではなく,

上告人が本件について審査を開始し担当官等が

情報の提示を行わなくなったという

外部的な要因によるものにすぎないこと,

④ 区分機類の市場は被上告人らとAとの3社による寡占状態にあり,

一般的にみて違反行為を行いやすい状況にあること,

⑤ 被上告人らは,審判手続において,

受注調整はなかったとして違反行為の成立を

争っていることという認定事実を基礎として

「特に必要があると認めるとき」の要件に該当する旨

判断したものであることを知り得るのであって,

本件審決書には,独禁法54条2項所定の

「特に必要があると認めるとき」の要件に該当する旨の

判断の基礎となった上告人の認定事実が

示されているということができるのである。

 

本件審決書には,担当官等が情報の提示を行わなくなったこと及び

平成10年2月27日の入札からAが新規参入し競争環境が

相当変化したことという上告人の認定事実が示されている。

 

「特に必要があると認めるとき」

の要件に該当するか否かの判断については,

我が国における独禁法の運用機関として競争政策について

専門的な知見を有する上告人の専門的な裁量が

認められるものというべきであるが,

上記説示したところによれば,

「特に必要があると認めるとき」の要件に該当する旨の

上告人の判断について,合理性を

欠くものであるということはできず,

上告人の裁量権の範囲を超え又は

その濫用があったものということはできない

 

そうすると,本件審決は,

独禁法57条1項の規定に違反するものでないし,

同法54条2項の規定に違反するものでもないというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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