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【交通事故判例】民事法定利率による中間利息の控除 (平成17年6月14日最高裁)

損害賠償額の算定に当たり被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合

(平成17年6月14日最高裁)

事件番号  平成16(受)1888

 

この裁判では、

損害賠償額の算定に当たり被害者の将来の逸失利益を

現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

我が国では実際の金利が近時低い状況にあることや

原審のいう実質金利の動向からすれば,

被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき

中間利息の割合は民事法定利率である年5%より

引き下げるべきであるとの主張も理解できないではない。

 

 しかし,民法404条において民事法定利率が

年5%と定められたのは,民法の制定に当たって参考とされた

ヨーロッパ諸国の一般的な貸付金利や法定利率,

我が国の一般的な貸付金利を踏まえ,金銭は,

通常の利用方法によれば年5%の利息を

生ずべきものと考えられたからである。

 

そして,現行法は,将来の請求権を現在価額に換算するに際し,

法的安定及び統一的処理が必要とされる場合には,

法定利率により中間利息を控除する考え方を採用している。

 

例えば,民事執行法88条2項,破産法99条1項2号

(旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)46条5号も同様),

民事再生法87条1項1号,2号,会社更生法136条1項1号,2号等は,

いずれも将来の請求権を法定利率による中間利息の控除によって

現在価額に換算することを規定している。

 

損害賠償額の算定に当たり被害者の

将来の逸失利益を現在価額に換算するについても,

法的安定及び統一的処理が必要とされるのであるから,

民法は,民事法定利率により中間利息を

控除することを予定しているものと考えられる。

 

このように考えることによって,事案ごとに,また,

裁判官ごとに中間利息の控除割合についての判断が

区々に分かれることを防ぎ,被害者相互間の公平の確保,

損害額の予測可能性による紛争の予防も図ることができる

上記の諸点に照らすと,損害賠償額の算定に当たり,

被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために

控除すべき中間利息の割合は,民事法定利率に

よらなければならないというべきである。

 

これと異なる原審の判断には,判決に影響を

及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

論旨は理由がある。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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