株主総会招集の手続に決議取消請求を裁量棄却することの許されない重大な瑕疵

(昭和46年3月18日最高裁)

事件番号  昭和44(オ)89

 

この裁判では、

株主総会招集の手続に決議取消請求を

裁量棄却することの許されない重大な瑕疵について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

株主総会招集の手続またはその決議の方法に

性質、程度等から見て重大な瑕疵がある場合には、

その瑕疵が決議の結果に影響を及ぼさないと

認められるようなときでも、裁判所は、

決議取消の請求を認容すべきであって、

これを棄却することは許されないものと解するのが相当である。

 

けだし、株主総会招集の手続またはその決議の方法に

重大な瑕疵がある場合にまで、単にその瑕疵が決議の結果に

影響を及ぼさないとの理由のみをもって、

決議取消の請求を棄却し、その決議をなお有効なものとして

存続せしめることは、株主総会招集の手続または

その決議の方法を厳格に規制して株主総会の適正な運営を確保し、

もって、株主および会社の利益を保護しようとしている

商法の規定の趣旨を没却することになるからである。

 

ところで、被上告会社の昭和40年12月29日の臨時株主総会における

会社の解散、監査役および法定清算人の選任の各決議について見るに、

原審の確定したところによれば、

右株主総会招集の手続はその招集につき決定の権限を有する

取締役会の有効な決議にもとづかないで

なされたものであるのみならず、

その招集の通知はすべての株主に対して

法定の招集期間に2日も足りない会日より12日前に

なされたものであるというのであるから、

右株主総会招集の手続にはその性質および程度から見て

重大な瑕疵があるといわなければならない

 

してみれば、仮に、原判決の認定判示するとおり、

右瑕疵が右各決議の結果に影響を及ぼさないものであるとしても、

そのことのみをもって、右瑕疵を原因として

右各決議の取消を求める上告人らの

本訴予備的請求を棄却することは

許されないものと解すべきであるから、

原判決のうち上告人らの右予備的請求に関する部分には、

株主総会の決議取消の請求に関する法令の解釈適用を誤った

違法があるといわざるをえず、

この違法を指摘する論旨は、その理由がある。

 

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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