刑法110条1項(建造物等以外放火)にいう「公共の危険」の意義

(平成15年4月14日最高裁)

事件番号  平成13(あ)1317

 

この裁判では、刑法110条1項(建造物等以外放火)にいう

「公共の危険」について裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

刑法110条1項にいう「公共の危険」は,

同法108条,109条所定の建造物等への

延焼のおそれに限られる旨主張する。

 

しかし,同法110条1項にいう「公共の危険」は,

必ずしも同法108条及び109条1項に規定する

建造物等に対する延焼の危険のみに限られるものではなく,

不特定又は多数の人の生命,身体又は

前記建造物等以外の財産に対する危険も

含まれると解するのが相当である。

 

そして,市街地の駐車場において,

被害車両からの出火により,

第1,第2車両に延焼の危険が及んだ等の本件事実関係の下では,

同法110条1項にいう「公共の危険」の発生を

肯定することができるというべきである。

 

本件について同項の建造物等以外放火罪の成立を認めた

原判決の判断は,正当である。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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