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【刑法判例】訴訟能力(平成28年12月19日最高裁)

訴訟能力

(平成28年12月19日最高裁)

事件番号  平成27(あ)1856

 

被告人に訴訟能力がないために公判手続が

停止された後訴訟能力の回復の見込みがないと

判断される場合と公訴棄却の可否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

被告人は,非可逆的で慢性化した統合失調症の症状に加え,

脳萎縮による認知機能の障害が重なり,訴訟能力が欠けており,

その回復の見込みがないとした原判断は,

正当として是認することができる。

 

訴訟手続の主宰者である裁判所において,

被告人が心神喪失の状態にあると認めて

刑訴法314条1項により公判手続を停止する旨決定した後,

被告人に訴訟能力の回復の見込みがなく

公判手続の再開の可能性がないと判断するに至った場合,

事案の真相を解明して刑罰法令を適正迅速に適用実現するという

刑訴法の目的(同法1条)に照らし,

形式的に訴訟が係属しているにすぎない状態のまま

公判手続の停止を続けることは同法の予定するところではなく,

裁判所は,検察官が公訴を取り消すかどうかに関わりなく,

訴訟手続を打ち切る裁判をすることができるものと解される。

 

刑訴法はこうした場合における打切りの裁判の形式について

規定を置いていないが,訴訟能力が後発的に失われて

その回復可能性の判断が問題となっている場合であることに鑑み,

判決による公訴棄却につき規定する同法338条4号と同様に,

口頭弁論を経た判決によるのが相当である。

 

したがって,被告人に訴訟能力がないために公判手続が停止された後,

訴訟能力の回復の見込みがなく

公判手続の再開の可能性がないと判断される場合,

裁判所は,刑訴法338条4号に準じて,

判決で公訴を棄却することができると解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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