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【刑訴法判例】刑訴法294条,312条,379条,刑訴規則208条の解釈適用(平成26年4月22日最高裁)

刑訴法294条,312条,379条,刑訴規則208条の解釈適用

(平成26年4月22日最高裁)

事件番号  平成24(あ)1816

 

この裁判は、

公判前整理手続を終了するに当たり確認された争点に

明示的に掲げられなかった点につき,公判手続で争点として

提示する措置をとることなく認定した第1審判決に

違法はないとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

第1審判決は,本件未発射事実を住居侵入に及んだ後から

被害者に本件刃物で心損傷を負わせるまでの間の

一連の事実の中に記載しているなどの判文全体を通覧すると,

「量刑の理由」に本件判示部分が訴因外の犯罪事実として

認定されたものであるかのような疑念を

抱かせかねない表現があるとはいえ,

そのような認定をしたものではなく,

本件判示部分を住居侵入後の殺害行為に至る経過として

認定したものと解される。

 

したがって,第1審判決が,

本件公訴事実に記載されていない本件判示部分を,

訴因変更手続を経ずに認定した点に違法があったとは認められない。

 

(2) 第1審の公判前整理手続において,

本件未発射事実については,その客観的事実について争いはなく,

けん銃の引き金を引いた時点の確定的殺意の有無に関する主張が

対立点として議論されたのであるから,

その手続を終了するに当たり確認した争点の項目に,

上記経過に関するものに止まるこの主張上の対立点が明示的に

掲げられなかったからといって,公判前整理手続において

争点とされなかったと解すべき理由はない。

 

加えて,第1審の公判手続の経過は,検察官が

本件未発射事実の存在を主張したのに対し,

特段これに対する異議が出されず,証拠調べでは,

被告人質問において上記確定的殺意を否認する供述がなされ,

被告人の供述調書抄本の取調べ請求に対し

「不同意」等の意見が述べられ,第1審判決中に

検察官の主張に沿って本件判示部分が

認定されたというものであるから,

この主張上の対立点について,主張立証のいずれの面からも

実質的な攻撃防御を経ており,公判において

争点とされなかったと解すべき理由もない。

 

そうすると,第1審判決が本件判示部分を認定するに当たり,

この主張上の対立点を争点として提示する措置を

とらなかったことに違法があったとは認められない。

 

原審の訴訟手続を見ても,検察官はもとより被告人も,

訴訟手続の法令違反を理由には控訴を申し立てておらず,

控訴理由中においても本件判示部分を

問題視するような主張をしていないところである。

 

(3) そうすると,本件判示部分につき,

第1審裁判所に訴因変更手続又は争点として

提示する措置をとるべき義務があったと認め,

いずれも行わなかったことが訴訟手続の法令違反であるとして

第1審判決を破棄し,本件を第1審裁判所に差し戻した原判決は,

訴因変更手続又は争点として提示する措置について,

前記違法を認めた点において,

刑訴法294条,312条,379条,刑訴規則208条の

解釈適用を誤った違法がある

 

この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかであり,

原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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