刑訴法17条1項2号にいう「裁判の公平を維持することができない虞があるとき」

(平成28年8月1日最高裁)

平成28(す)398

 

この裁判では、

刑訴法17条1項2号にいう

「裁判の公平を維持することができない虞があるとき」

に当たらないとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

そもそも裁判員制度は,

国民の視点や感覚と法曹の専門性との交流によって,

相互の理解を深めることを通じてより

良い刑事裁判の実現を目指すものである。

 

そして,裁判員裁判対象事件を取り扱う裁判体は,

公平性,中立性を確保できるよう配慮された手続の下に

選任された裁判員と,身分保障の下,独立して職権を

行使することが保障された裁判官とによって構成され,

裁判員は,法令に従い公平誠実にその職務を行う義務を負っている上,

裁判長は,裁判員がその職責を十分に果たすことができるように

配慮しなければならないとされていることなども考慮すると,

公平な裁判所における法と証拠に基づく適正な裁判が行われることが

制度的に十分保障されているといえる

(最高裁平成22年(あ)第1196号同23年11月16日大法廷判決・

刑集65巻8号1285頁参照)。

 

このような裁判員制度の仕組みの下においては,

所論が主張する点は,那覇地方裁判所において

公平な裁判が行われることを期待し難い事情とはいえないから,

本件は,刑訴法17条1項2号にいう

「裁判の公平を維持することができない虞があるとき」に当たらない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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