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【判例】民訴法3条の9にいう「特別の事情」(平成28年3月10日最高裁)

民訴法3条の9にいう「特別の事情」

(平成28年3月10日最高裁)

事件番号  平成26(受)1985

 

この裁判は、

米国法人がウェブサイトに掲載した記事による

名誉等の毀損を理由とする不法行為に基づく

損害賠償請求訴訟について,

民訴法3条の9にいう「特別の事情」があるとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

本件について,民訴法3条の9にいう

「事案の性質,応訴による被告の負担の程度,証拠の所在地

その他の事情を考慮して,日本の裁判所が審理及び

裁判をすることが当事者間の衡平を害し,

又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情」

があるか否かを検討する。

 

上記事実関係等によれば,本件訴訟の提起当時に既に係属していた

別件米国訴訟は,米国法人である被上告人が,

上告人X2及びその関係者が海外腐敗行為防止法に違

反する行為を繰り返すなどしていたとして,

上告人X2が取締役会長を務める上告人会社の子会社である

Aが保有する被上告人の株式を強制的に償還したこと等に関して,

被上告人とA及び上告人らとの間で争われている訴訟であるところ,

本件訴訟は,上告人らが,上記の強制的な償還の経緯等について

記載する本件記事によって名誉及び信用を毀損されたなどと主張して,

被上告人に対し,不法行為に基づく損害賠償を求めるものであるから,

別件米国訴訟に係る紛争から派生した紛争に係るものといえる。

 

そして,事実関係や法律上の争点について,

本件訴訟と共通し又は関連する点が多い

別件米国訴訟の状況に照らし,

本件訴訟の本案の審理において

想定される主な争点についての証拠方法は,

主に米国に所在するものといえる。

 

さらに,上告人らも被上告人も,

被上告人の経営に関して生ずる紛争については

米国で交渉,提訴等がされることを想定していたといえる。

 

実際に,上告人らは,

別件米国訴訟において応訴するのみならず

反訴も提起しているのであって,

本件訴えに係る請求のために改めて

米国において訴訟を提起するとしても,

上告人らにとって過大な負担を課することになるとはいえない。

 

加えて,上記の証拠の所在等に照らせば,

これを日本の裁判所において取り調べることは

被上告人に過大な負担を課することになるといえる。

 

これらの事情を考慮すると,本件については,

民訴法3条の9にいう「日本の裁判所が審理及び裁判をすることが

当事者間の衡平を害し,又は適正かつ迅速な審理の実現を

妨げることとなる特別の事情」があるというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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