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【判例】行政事件訴訟法14条1項ただし書にいう「正当な理由」 (平成28年3月10日最高裁)

行政事件訴訟法14条1項ただし書にいう「正当な理由」

(平成28年3月10日最高裁)

事件番号  平成27(行ヒ)221

 

この裁判では、

個人情報の一部を不開示とする決定の取消しを求める訴えが

出訴期間を経過した後に提起されたことにつき,

行政事件訴訟法14条1項ただし書にいう

「正当な理由」があるかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

行政事件訴訟法14条1項本文は,取消訴訟について,

処分があったことを知った日から6か月を経過したときは,

提起することができない旨規定しているところ,

前記2(1)のとおり,本件条例16条に基づく開示の実施は,

同条例15条に基づく開示決定等の後の手続として

位置付けられているものであるから,同条例に基づく開示決定等は,

個人情報の記録された公文書の写しの

交付等による開示が実施されていないとしても,

当該開示決定等に係る通知書が開示請求者に到達した時点で

効力を生ずるものと解され,本件処分は,

平成24年10月15日に本件通知書が

被上告人を代理する細川弁護士の下に到達した時点で効力が生じていたものであり,

上記時点で「処分があった」というべきである。

 

(2) また,処分がその名宛人に個別に通知される場合には,

行政事件訴訟法14条1項本文にいう「処分があったことを知った日」とは,

その者が処分のあったことを現実に知った日のことをいい

(最高裁昭和26年(オ)第392号同27年11月20日

第一小法廷判決・民集6巻10号1038頁,

最高裁平成12年(行ヒ)第174号同14年10月24日第一小法廷判決・

民集56巻8号1903頁参照),当該処分の内容の詳細や

不利益性等の認識までを要するものではないと解される。

 

そして,本件処分は,本件通知書をもって通知されたものであるところ,

本件記録によれば,本件通知書には本件開示請求に対する応答として

一部を開示する旨明示されていることが明らかである上に,また,

前記2(2)エの事実によれば,本件通知書には本件各文書に

記録された個人情報のうち本件処分において

不開示とされた部分を特定して

その理由が示されているというのである。


そうすると,被上告人は,本件通知書が

同人を代理する細川弁護士の下に到達した

平成24年10月15日をもって本件処分のあったことを

現実に知ったものということができ,同25年4月19日に提起された

本件取消しの訴えは,本件処分のあったことを知った日から

6か月の出訴期間を経過した後に提起されたものというべきである。

 

(3) そして,本件記録によれば,本件通知書において

出訴期間の教示がなされていることが明らかであり,また,

前記2(2)の事実によれば,本件通知書の記載は不開示部分を特定して

不開示の理由を付したものであって,本件各開示文書が

細川弁護士の下に到達したのは,本件通知書が

同弁護士の下に到達した1週間後である上,

同弁護士が本件開示請求から本件訴訟に至るまで

一貫して被上告人を代理して行動しているなどというのである。

 

これらの事情によれば,本件取消しの訴えが

出訴期間を経過した後に提起されたことにつき

行政事件訴訟法14条1項ただし書の

「正当な理由」があるということはできない

 

(4) 以上によれば,本件取消しの訴えは,

不適法な訴えであるといわざるを得ない。

 

そして,本件義務付けの訴えは,

行政事件訴訟法3条6項2号の義務付けの訴えであるところ,同

法37条の3第1項各号の要件の

いずれにも該当しないことが明らかであるから,

不適法な訴えであるといわざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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