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【労働法判例】フォーカスシステムズ事件(労災保険給付と民事損害賠償)の要点をわかりやすく解説

フォーカスシステムズ事件(労災保険給付と民事損害賠償)

(平成27年3月4日最高裁)事件番号  平成24(受)1478

 

ソフトウェアの開発等を業とする

Y社に雇用されていたAは、

長時間の時間外勤務や

配置転換にともなう業務内容の変化など、

業務に起因する心理的な負荷の蓄積により、

病的な心理状態で、無断欠勤をして、

過度の飲酒をして急性アルコール中毒で

心停止に至り死亡しました。

 

Aの両親のXらは、Aが死亡したのは、

長時間の時間外労働等による

心理的負荷の蓄積によって精神障害を発症し、

正常な判断能力を欠く状態で

飲酒したためであると主張して、

Y社に対し、業務軽減措置などを

とらなかった安全配慮義務違反ないし、

不法行為法上の注意義務違反があったとして、

損害賠償およびこれに対する

遅延損害金を請求して訴えを提起しました。

 

一審は、Aの過失を2割とし、

Y社の責任を肯定し、

Xらに支給されていた

労災保険給付(遺族補償年金、葬祭料)

との損益相殺については、

遅延損害金から充当しました。

 

原審は、Aの過失を3割とし、損益相殺については、

遅延損害金とは行わず、

また遺族補償年金は、不法行為の時点で

損害が填補されたものとして、

損益相殺を行うべきとしました。

 

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最高裁判所の見解

被害者が不法行為によって死亡した場合において、

不法行為の時から相当な時間が経過した後に

得られたはずの利益を喪失したという損害についても、

不法行為の時に発生したものとして

その額を算定する必要が生ずる。

 

しかし、この算定は、事柄の性質上、

不確実、不確定な要素に関する

蓋然性に基づく将来予測や

擬制の下に行わざるを得ないもので、

中間利息の控除等も含め、

法的安定性を維持しつつ公平かつ迅速な

損害賠償額の算定の仕組みを

確保するという観点からの要請等をも

考慮した上で行うことが相当である。

 

遺族補償年金は、労働者の死亡による遺族の

被扶養利益の喪失の塡補を目的とする保険給付であり、

その目的に従い、法令に基づき、

定められた額が定められた時期に

定期的に支給されるものとされているが、これは、

遺族の被扶養利益の喪失が現実化する都度ないし

現実化するのに対応して、

その支給を行うことを制度上

予定しているものと解されるのであって、

制度の趣旨に沿った支給がされる限り、

その支給分については当該遺族に被扶養利益の喪失が

生じなかったとみることが相当である。

 

そして、上記の支給に係る損害が被害者の逸失利益等の

消極損害と同性質であり、かつ、相互補完性を有する

 

被害者が不法行為によって死亡した場合において、

その損害賠償請求権を取得した

相続人が遺族補償年金の支給を受け、

又は支給を受けることが確定したときは、

制度の予定するところと異なって

その支給が著しく遅滞するなどの特段の事情のない限り、

その塡補の対象となる損害は

不法行為の時に塡補されたものと

法的に評価して損益相殺的な調整をすることが

公平の見地からみて相当である。

 

本件においてXらが支給を受け、

又は支給を受けることが

確定していた遺族補償年金は、

その制度の予定するところに従って支給され、

又は支給されることが確定したものということができ、

その他上記特段の事情もうかがわれないから、

その塡補の対象となる損害は不法行為の時に塡補されたものと

法的に評価して損益相殺的な調整をすることが相当である。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

 

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