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【労働法判例】丸子警報器事件(賃金格差の違法性)の要点をわかりやすく解説

丸子警報器事件(賃金格差の違法性)

(平成8年3月15日長野地裁)

 

自動車用警報器の製造販売業のY社、

臨時社員のXら(全員既婚女性)は、

雇用契約は2カ月 契約でしたが、

契約更新が繰り返され、25年を超える契約更新者もいました。

正社員の賃金体系は,年功序列型賃金体系で、

臨時社員は、3年、5年、10年を区切りとする3段階の賃金体系で、

勤続が長く なるほど正社員との賃金格差は大きくなり、

臨時社員の年収は正社員の3分の2ほどになっていました。

 

Xらはこの差について、損害を被っているとして、

民法709条の不法行為を理由とする賠償を請求しました。

 

裁判所の見解

同一(価値)労働同一賃金について、

これを明言する実定法の規定はいまだ存在せず、また、

これに反する賃金格差が直ちに違法となるという意味での

公序として存在するということもできないため、

労働関係を規律する一般的な法規範として

存在していると認めることはできない。

 

同一(価値)労働同一賃金の原則の基礎にある

均等待遇の理念は、賃金格差の違法性判断において、

一つの重要な判断要素として考慮されるべきものであって、

その理念に反する賃金格差は、

使用者に許された裁量の範囲を逸脱したものとして、

公序良俗の違法を招来する場合があるというべきである。

 

これまでの我が国の多くの企業においては、

年功序列による賃金体 系を基本とし、

さらに職歴による賃金の加算や、扶養家族手当の支給など

さまざまな制度を設けてきたのであって、

同一(価値)労働に

単純同一賃金を支給してきたわけではないし、

特に職種が異なる労働を 比べるような場合、

その労働価値が同一であるか否かを

客観性をもっ て評価判定することは、

人の労働というものの性質上著しい困難を伴う。

 

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同一(価値)労働同一賃金の原則は

不合理な賃金格差を是正するための

一個の指導理念とはなり得ても,これに反する賃金格差が

直ちに違法と なるという意味での公序とみなすことはできない。

 

同一(価値)労働同一賃金の原則の基礎にある均等待遇の理念は、

賃金格差の違法性判断において、

一つの重要な判断要素として考慮さ れるべきものであって,

その理念に反する賃金格差は、

使用者に許された裁量の範囲を逸脱したものとして、

公序良俗違反の違法を招来する場合がある。

 

 

本件においては、Xらを臨時社員として

採用したままこれを固定化し、

2カ月ごとの雇用期間の更新を形式的に繰り返すことにより、

女性正 社員との顕著な賃金格差を

維持拡大しつつ長期間の雇用を継続したこ とは、

同一(価値)労働同一賃金の原則の根底にある

均等待遇の理念 に違反する格差であり、

単に妥当性を欠くというにとどまらず公序良俗違反として

違法となるものというべきである。

 

均等待遇の理念も抽象的なものであって、

均等に扱うた めの前提となる諸要素の判断に幅がある以上は、

その幅の範囲内における待遇の差に

使用者側の裁量も認めざるを得ない。

 

前提として、最も重要な労働内容が同一であること、

一定期間以上勤務した臨時社員については年功という要素も

正社員と同様に考慮すべきであること、

その他本件に現れた一切の事情に加え、

Y会社において同一(価値)労働同一賃金の原則が

公序ではないということのほか

賃金格差を正当化する事情を何ら主張立証していないことも考慮すれば、

Xらの賃金が,同じ勤務年数の女性正社員の8割以下となるときは、

許容される賃金格差の範 囲を明らかに超え、

その限度において会社の裁量が

公序良俗違反として違法となると判断すべきである。

 

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