川義事件(安全配慮義務)の要点をわかりやすく解説

(昭和59年4月10日最高裁)事件番号  昭和58(オ)152

 

Y社の従業員のAは、宿直勤務中、商品を盗もうとY社に忍び込んだ

Y社の元従業員Bに殺害されました。

 

Aの両親のXらは、Y社の安全配慮義務違反を理由に

損害賠償の請求をしました。

 

一審は、Aの過失割合を3割5分と認定し、過失相殺して、

Xの請求を一部認容しました。

 

原審は、Aの過失割合を2割5分と認定し、過失相殺して、

Xの請求を一部認容し、Y社が上告しました。

 

最高裁判所の見解

雇傭契約は、労働者の労務提供と使用者の報酬支払を

その基本内容とする双務有償契約であるが、通常の場合、

労働者は、使用者の指定した場所に配置され、

使用者の供給する設備、器具等を用いて労務の提供を行うものであるから、

使用者は、右の報酬支払義務にとどまらず、

労働者が労務提供のため設置する場所、設備もしくは器具等を使用し又は

使用者の指示のもとに労務を提供する過程において、

労働者の生命及び身体等を危険から保護するよう

配慮すべき義務(以下「安全配慮義務」という。)を

負っているものと解するのが相当である。

 

もとより、使用者の右の安全配慮義務の具体的内容は、

労働者の職種、労務内容、労務提供場所等安全配慮義務が

問題となる当該具体的状況等によって異なるべきものであることはいうまでもないが、

これを本件の場合に即してみれば、Y社は、

A一人に対し昭和53年8月13日午前9時から24時間の宿直勤務を命じ、

宿直勤務の場所を本件社屋内、就寝場所を

同社屋一階商品陳列場と指示したのであるから、宿直勤務の場所である本件社屋内に、

宿直勤務中に盗賊等が容易に侵入できないような物的設備を施し、かつ、

万一盗賊が侵入した場合は盗賊から加えられるかも知れない危害を

免れることができるような物的施設を設けるとともに、

これら物的施設等を十分に整備することが困難であるときは、

宿直員を増員するとか宿直員に対する安全教育を十分に行うなどし、

もって右物的施設等と相まって労働者たるAの生命、身体等に

危険が及ばないように配慮する義務があったものと解すべきである。

 

本件では、Y社の右安全配慮義務の不履行によって

発生したものということができ、

Y社は、右事故によって被害を被った者に対し

その損害を賠償すべき義務があるものといわざるをえない

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

 

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