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【労働法判例】電電公社目黒電報電話局事件(職場内での政治活動)の要点をわかりやすく解説

電電公社目黒電報電話局事件(職場内での政治活動)

(昭和52年12月13日最高裁)

事件番号  昭和47(オ)777

 

Y公社A局に勤務するXは、

「ベトナム侵略反対、米軍立川基地拡張阻止」

と書かれたプレートを着用して勤務し、

上司がXに対して、これを取り外すよう再三注意をしましたが、

Xはこれに従いませんでした。

 

Xはこのプレートを取り外せという命令に抗議する目的で、

「職場の皆さんへの訴え」と題したビラ数十枚を、

休憩時間中に職場内の休憩室と食堂で配布しました。

 

プレートの着用行為等は、就業規則の禁止規定

(5条7項「職員は、局地内において、

選挙運動その他の政治活動をしてはならない」)

に該当し、また、Y公社の就業規則5条6項には、

「職員が職場内で演説やビラ配布等を行う場合には

事前に管理責任者の許可を受けなければならない」

という内容の規定があり、

Y公社はXのビラ配布が就業規則に違反し、

懲戒事由に該当するとして、Xを戒告処分に付しました。

 

Xは、無効確認の訴えを提訴しました。

 

一審はXの請求を認容、原審はY公社の控訴を棄却、

Y公社が上告をしました。

 

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最高裁判所の見解

被上告人は右文言を記載したプレートを着用して

これを職場の同僚に訴えかけたものというべきであるから、

それは社会通念上政治的な活動にあたり、

しかもそれがA局の局所内で行われたものである以上、

公社就業規則5条7項に違反することは、明らかである。

 

公社就業規則5条7項の規定は、局所内の秩序風紀の維持を

目的としたものであることにかんがみ、

形式的に右規定に違反するようにみえる場合であっても、

実質的に局所内の秩序風紀を乱すおそれのない

特別の事情が認められるときには、

右規定の違反になるとはいえないと解するのが、相当である。

 

局所内において演説、集会、貼紙、掲示、ビラ配布等を行うことは、

休憩時間中であっても、局所内の施設の管理を妨げるおそれがあり、

更に、他の職員の休憩時間の自由利用を妨げ、

ひいてはその後の作業能率を低下させるおそれがあって、

その内容いかんによつては企業の運営に支障をきたし

企業秩序を乱すおそれがあるのであるから、

これを局所管理者の許可にかからせることは、

合理的な制約ということができる

 

本件ビラの配布は、その態様において

直接施設の管理に支障を及ぼすものでなかったとしても、

その目的及びビラの内容において

上司の適法な命令に対し抗議をするものであり、

また、違法な行為をあおり、そそのかすようなものであった以上、

休憩時間中であっても、

企業の運営に支障を及ぼし企業秩序を乱すおそれがあり、

許可を得ないでその配布をすることは公社就業規則5条6項に反し

許されるべきものではないから、

これをとらえて懲戒処分の対象としても、

労基法34条3項に違反するものではない。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

 

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