刑罰と重加算税の併科の合憲性

(昭和30年4月30日最高裁)

 

この裁判では、

刑罰と重加算税(当時・追徴税)を併科することは、

二重処罰にあたり、憲法に違反しないかが

問題となりました。

 

重加算税制度は、不正手段を用いた

納税義務違反に対する制裁措置として

国税通則法に規定されており、これとは別に個別税法では、

偽りその他不正の行為により税を

免れた場合の罰則を規定しています。

 

このため、脱税行為をした場合、重加算税が賦課されるとともに、

刑事罰が科され、このような制裁は、憲法第 39 条の二重処罰の禁止条項に

反するのではないかという点が問題となりました。

 

裁判所の見解

法人税の追徴税は、制裁的意義を持つが、

これは罰金とは性質を異にずる。

 

逋脱犯に対する刑罰は、詐欺その他不正な方法により

法人税を免れる行為の反社会性や反道徳性に対する

制裁として科せられる。

 

 

追徴税は、単に過少申告、不申告による

納税義務違反の事実があれば、

やむを得ない事由がない限り課せられるものであり、

納税義務違反の発生を防止し、

徴税の実を挙げようとする行政上の措置であり、

刑罰とは異なるから重加算税のほかに刑罰を科しても

憲法第 39 条には違反しないとしました。

 

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