固有必要的共同訴訟の訴えの取下げ

(昭和46年10月7日最高裁)

事件番号  昭和42(オ)535

 

この裁判では、

固有必要的共同訴訟の訴えの取下げについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

一個の物を共有する数名の者全員が、共同原告となり、

いわゆる共有権(数人が共同して有する一個の所有権)に基づき、

その共有権を争う第三者を相手方として、

共有権の確認を求めているときは、

その訴訟の形態はいわゆる固有必要的共同訴訟と解するのが相当である

(大審院大正一一年(オ)第八二一号同一三年五月一九日判決、

民集三巻二一一頁参照)。

 

けだし、この場合には、共有者全員の有する

一個の所有権そのものが紛争の対象となっているのであって、

共有者全員が共同して訴訟追行権を有し、

その紛争の解決いかんについては共有者全員が

法律上利害関係を有するから、

その判決による解決は全員に矛盾なくなされることが要請され、かつ、

紛争の合理的解決をはかるべき訴訟制度のたてまえからするも、

共有者全員につき合一に確定する必要があるというべきだからである。

 

また、これと同様に、一個の不動産を共有する数名の者全員が、

共同原告となって、共有権に基づき

所有権移転登記手続を求めているときは、

その訴訟の形態も固有必要的共同訴訟と解するのが相当であり

(大審院大正一一年(オ)第二五六号同年七月一〇日判決、

民集一巻三八六頁参照)、その移転登記請求が

真正な所有名義の回復の目的に出たものであったとしても、

その理は異ならない。

 

それゆえ、このような訴訟の係属中に共同原告の一人が

訴の取下げをしても、その取下げは効力を

生じないものというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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