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【行政判例】一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は許可更新処分の取消訴訟の競業者の原告適格 (平成26年1月28日最高裁)

一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は許可更新処分の取消訴訟の競業者の原告適格

(平成26年1月28日最高裁)

事件番号  平成23(行ヒ)332

 

この裁判では、

一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可処分又は

許可更新処分の取消訴訟の競業者の原告適格について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

既存の許可業者によって一般廃棄物の適正な処理が行われており,

これを踏まえて一般廃棄物処理計画が作成されている場合には,

市町村長は,それ以外の者からの一般廃棄物処理業の許可又は

その更新の申請につき,一般廃棄物の適正な処理を継続的かつ

安定的に実施させるためには既存の許可業者のみに引き続き

これを行わせるのが相当であり,当該申請の内容が

当該一般廃棄物処理計画に適合するものであるとは

認められないとして不許可と

することができるものと解される。

 

このように,市町村が市町村以外の者に

許可を与えて事業を行わせる場合においても,

一般廃棄物の発生量及び処理量の見込みに基づいて

これを適正に処理する実施主体等を定める

一般廃棄物処理計画に適合すること等の

許可要件に関する市町村長の判断を通じて,

許可業者の濫立等によって事業の適正な

運営が害されることのないよう,

一般廃棄物処理業の需給状況の調整が

図られる仕組みが設けられているものといえる。

 

そして,許可業者が収集運搬又は処分を

行うことができる区域は当該市町村又は

その一部の区域内(廃棄物処理法7条11項)

に限定されていることは,

これらの区域を対象として上記の需給状況の調整が

図られることが予定されていることを示すものといえる。

 

市町村長が一般廃棄物処理業の許可を与え得るのは,

当該市町村による一般廃棄物の処理が

困難である場合に限られており,

これは,一般廃棄物の処理が本来的には市町村が

その責任において自ら実施すべき事業であるため,

その処理能力の限界等のために市町村以外の者に行わせる

必要がある場合に初めてその事業の許可を

与え得るとされたものであると解されること,

上記のとおり一定の区域内の一般廃棄物の発生量に応じた

需給状況の下における適正な処理が求められること等からすれば,

廃棄物処理法において,一般廃棄物処理業は,

専ら自由競争に委ねられるべき性格の事業とは

位置付けられていないものといえる。

 

そして,市町村長から一定の区域につき

既に一般廃棄物処理業の許可又は

その更新を受けている者がある場合に,

当該区域を対象として他の者に対してされた

一般廃棄物処理業の許可又はその更新が,

当該区域における需給の均衡及び

その変動による既存の許可業者の事業への影響についての

適切な考慮を欠くものであるならば,

許可業者の濫立により需給の均衡が損なわれ,

その経営が悪化して事業の適正な運営が害され,

これにより当該区域の衛生や環境が悪化する事態を招来し,

ひいては一定の範囲で当該区域の住民の健康や

生活環境に被害や影響が及ぶ危険が生じ得るものといえる。

 

一般廃棄物処理業の許可又はその更新の許否の判断に当たっては,

上記のように,その申請者の能力の適否を含め,

一定の区域における一般廃棄物の処理がその発生量に応じた

需給状況の下において当該区域の全体にわたって

適正に行われることが確保されるか否かを

審査することが求められるのであって,

このような事柄の性質上,市町村長に

一定の裁量が与えられていると解されるところ,

廃棄物処理法は,上記のような事態を避けるため,

前記のような需給状況の調整に係る規制の

仕組みを設けているのであるから,

一般廃棄物処理計画との適合性等に係る許可要件に関する

市町村長の判断に当たっては,その申請に係る区域における

一般廃棄物処理業の適正な運営が

継続的かつ安定的に確保されるように,

当該区域における需給の均衡及びその変動による

既存の許可業者の事業への影響を

適切に考慮することが求められるものというべきである。

 

以上のような一般廃棄物処理業に関する

需給状況の調整に係る規制の仕組み及び内容,

その規制に係る廃棄物処理法の趣旨及び目的,

一般廃棄物処理の事業の性質,その事業に係る許可の性質及び

内容等を総合考慮すると,廃棄物処理法は,

市町村長から一定の区域につき一般廃棄物処理業の許可又は

その更新を受けて市町村に代わって

これを行う許可業者について,当該区域における需給の均衡が

損なわれ,その事業の適正な運営が害されることにより

前記のような事態が発生することを防止するため,

上記の規制を設けているものというべきであり,

同法は,他の者からの一般廃棄物処理業の許可又は

その更新の申請に対して市町村長が上記のように

既存の許可業者の事業への影響を考慮して

その許否を判断することを通じて,

当該区域の衛生や環境を保持する上でその基礎となるものとして,

その事業に係る営業上の利益を個々の既存の許可業者の

個別的利益としても保護すべきものとする

趣旨を含むと解するのが相当である。

 

したがって,市町村長から一定の区域につき

既に廃棄物処理法7条に基づく

一般廃棄物処理業の許可又はその更新を受けている者は,

当該区域を対象として他の者に対してされた

一般廃棄物処理業の許可処分又は許可更新処分について,

その取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,

その取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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