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【行政判例】国に対して未支給年金の支払を求める訴訟の係属中に原告が死亡した場合における訴訟承継の成否 (平成7年11月7日最高裁)

国に対して未支給年金の支払を求める訴訟の係属中に原告が死亡した場合における訴訟承継の成否

(平成7年11月7日最高裁)

事件番号  平成3(行ツ)212

 

この裁判では、

国に対して未支給年金の支払を求める訴訟の係属中に

原告が死亡した場合における訴訟承継の成否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

国民年金法19条1項は、

「年金給付の受給権者が死亡した場合において、

その死亡した者に支給すべき年金給付でまだ

その者に支給しなかったものがあるときは、

その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、

その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、

自己の名で、その未支給の年金の支給を

請求することができる。」と定め、

同条5項は、「未支給の年金を受けるべき者の順位は、

第一項に規定する順序による。」と定めている。

 

右の規定は、相続とは別の立場から一定の遺族に対して

未支給の年金給付の支給を認めたものであり、

死亡した受給権者が有していた右年金給付に係る請求権が

同条の規定を離れて別途相続の対象となるものでないことは明らかである。

 

また、同条一項所定の遺族は、

死亡した受給権者が有していた

請求権を同項の規定に基づき

承継的に取得するものと理解することができるが、

以下に述べるとおり、

自己が所定の遺族に当たるとして

その権利を行使するためには、

社会保険庁長官に対する請求をし、

同長官の支給の決定を受けることが

必要であると解するのが相当である。

 

同法16条は、給付を受ける権利は、

受給権者の請求に基づき社会保険庁長官が

裁定するものとしているが、これは、

画一公平な処理により無用の紛争を防止し、

給付の法的確実性を担保するため、

その権利の発生要件の存否や金額等につき

同長官が公権的に確認するのが相当であるとの見地から、

基本権たる受給権について、同長官による裁定を受けて

初めて年金の支給が可能となる旨を明らかにしたものである。

 

同法19条1項により遺族が取得するのは

支分権たる請求権ではあるが、

同法16条の趣旨に照らして考えると、

右19条1項にいう請求は裁定の請求に準じて

社会保険庁長官に対してすべきものであり

(現に国民年金法施行規則は、同法19条の規定による

未支給年金の支給の請求は所定の請求書を

同長官に提出することによって行うべき旨を定めている)、

これに対して同長官が応答することが

予定されているものと解される。

 

そして、社会保険庁長官の応答は、

請求をした者が請求権を有する所定の遺族に当たるか否かを

統一的見地から公権的に確認するものであり、

不服申立ての対象を定めた同法101条1項にいう

「給付に関する処分」に当たるものと解するのが相当である。

 

したがって、同法19条1項所定の遺族は、

社会保険庁長官による未支給年金の支給決定を受けるまでは、

死亡した受給権者が有していた未支給年金に係る請求権を

確定的に取得したということはできず、

同長官に対する支給請求とこれに対する処分を経ないで

訴訟上未支給年金を請求することは

できないものといわなければならない

 

そうすると、上告人は、本件訴訟とは別に

社会保険庁長官に対する支給請求をした上で、

必要があればこれに対する処分を争うべきものであって、

上告人において亡Dの本件訴訟上の地位を

承継することを認めることはできない。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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