建築基準法46条1項に基づく壁面線の指定と行政不服審査法57条1項の適用の有無

( 昭和61年6月19日最高裁)

事件番号  昭和60(行ツ)207

 

この裁判では、

建築基準法46条1項に基づく壁面線の指定と

行政不服審査法57条1項の適用の有無について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

行政不服審査法57条1項は、

同項所定の処分を書面でする場合に、

その処分の相手方に対して不服申立に関する教示を

しなければならないとしているものであるから、

特定の個人又は団体を名あて人とするものでない処分については

その適用がないものと解するのが相当である。

 

法46条1項に基づく壁面線の指定は、

特定の街区を対象として行ういわば対物的な処分であり、

特定の個人又は団体を名あて人として行うものではないから、

右指定については行政不服審査法57条1項の適用

はないものといわなければならない

(利害関係人は、同条2項により

教示を求めることができるものとされている。)。

 

のみならず、同法は、行政庁が同法57条の規定による

教示をしなかった場合の救済として、

処分をした行政庁に不服申立書を

提出すればそのときに正当な審査庁に不服申立がされたものとみなし、

その限度で不服申立期間の徒過を

救済することとしているものであって(58条)、

同法が不服申立期間の進行を止めるという

救済方法を採用したものと解すべき根拠はない。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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