イレッサ薬害訴訟(通常有すべき安全性)

(平成25年4月12日最高裁)

事件番号  平成24(受)293

 

この裁判では、

医療用医薬品について製造物責任法2条2項にいう

「通常有すべき安全性」について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

医薬品は,人体にとって本来異物であるという性質上,

何らかの有害な副作用が生ずることを

避け難い特性があるとされているところであり,

副作用の存在をもって直ちに製造物として

欠陥があるということはできない

 

むしろ,その通常想定される使用形態からすれば,

引渡し時点で予見し得る副作用について,

製造物としての使用のために必要な情報が

適切に与えられることにより,通常有すべき

安全性が確保される関係にあるのであるから,

このような副作用に係る情報が適切に

与えられていないことを一つの要素として,

当該医薬品に欠陥があると解すべき場合が生ずる

 

そして,前記事実関係によれば,

医療用医薬品については,上記副作用に係る情報は

添付文書に適切に記載されているべきものといえるところ,

上記添付文書の記載が適切かどうかは,

上記副作用の内容ないし程度(その発現頻度を含む。),

当該医療用医薬品の効能又は効果から通常想定される処方者ないし

使用者の知識及び能力,当該添付文書における

副作用に係る記載の形式ないし体裁等の諸般の事情を総合考慮して,

上記予見し得る副作用の危険性が上記処方者等に

十分明らかにされているといえるか否かという観点から

判断すべきものと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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