抵当権に基づく妨害排除請求権

(平成17年3月10日最高裁)

事件番号  平成13(オ)656

 

この裁判では、

抵当権に基づく妨害排除請求権について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

所有者以外の第三者が抵当不動産を不法占有することにより,

抵当不動産の交換価値の実現が妨げられ,

抵当権者の優先弁済請求権の行使が困難となるような状態があるときは,

抵当権者は,占有者に対し,抵当権に基づく妨害排除請求として,

上記状態の排除を求めることができる。

 

そして,抵当権設定登記後に抵当不動産の所有者から

占有権原の設定を受けてこれを占有する者についても,

その占有権原の設定に抵当権の実行としての

競売手続を妨害する目的が認められ,

その占有により抵当不動産の交換価値の実現が妨げられて

抵当権者の優先弁済請求権の行使が

困難となるような状態があるときは,

抵当権者は,当該占有者に対し,

抵当権に基づく妨害排除請求として,

上記状態の排除を求めることができるものというべきである。

 

なぜなら,抵当不動産の所有者は,

抵当不動産を使用又は収益するに当たり,

抵当不動産を適切に維持管理することが予定されており,

抵当権の実行としての競売手続を妨害するような

占有権原を設定することは許されないからである。

 

また,抵当権に基づく妨害排除請求権の行使に当たり,

抵当不動産の所有者において抵当権に対する侵害が生じないように

抵当不動産を適切に維持管理することが期待できない場合には,

抵当権者は,占有者に対し,直接自己への抵当不動産の明渡しを

求めることができるものというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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