本人が無権代理人を相続した場合における無権代理人行為の効力

(昭和37年4月20日最高裁)

事件番号  昭和35(オ)3

 

この裁判では、

本人が無権代理人を相続した場合における

無権代理人行為の効力について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

無権代理人が本人を相続した場合においては、

自らした無権代理行為につき本人の資格において

追認を拒絶する余地を認めるのは信義則に反するから、

右無権代理行為は相続と共に

当然有効となると解するのが相当であるけれども、

本人が無権代理人を相続した場合は、

これと同様に論ずることはできない

 

後者の場合においては、相続人たる本人が

被相続人の無権代理行為の追認を拒絶しても、

何ら信義に反するところはないから、

被相続人の無権代理行為は一般に本人の相続により

当然有効となるものではないと解するのが相当である。

 

然るに、原審が、本人たる上告人において

無権代理人亡Dの家督を相続した以上、

原判示無権代理行為はこのときから当然有効となり、

本件不動産所有権は被上告人に移転したと速断し、

これに基いて本訴および反訴につき上告人敗訴の判断を下したのは、

法令の解釈を誤つた結果審理不尽理由不備の違法におちいったものである。

 

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