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行為請求権説・認容請求権説についてわかりやすく解説

リラックス法学部 > 初学者の部屋 > 行為請求権説・認容請求権説についてわかりやすく解説

 

 

物権とは、物を直接支配する権利ですが、

その性質からにじみ出る3つの

物権的請求権がありました。

①物権的返還請求権

(「私の物を返して」という権利)

 

②物権的妨害排除請求権

(「私の土地からあなたの物よせて」という権利)

 

③物権的妨害予防請求権

(「あなたの物が私の土地に

入ってきそうだから対策取って」という権利)

 

と、このように物権からは

このような3つの権利がにじみ出ています。

 

ここで、1つ問題となりそうな事があります。

 「費用はどっち持ち?」

 

という点です。

 

例えば地震によって、

お隣さんの、ロダンの

「考える人」の彫刻が

あなたの庭に倒れこんできたとします。

 

この際、あなたは土地の所有権(物権)に基いて、

②の「『考える人』をよせてくれ」

という権利があるわけですが、

お隣さんにも

①の「『考える人』を返してくれ」

という権利があるわけです。

 

『考える人』は、

素人が動かせるようなものではなく、

 業者に頼んでよせてもらわなければなりません。

 

この業者に払う費用は

どっち持ちになるのでしょうか?

 

これには主に2つの説があります。

 ①行為請求権説 

②認容請求権説

 

 ①行為請求権説 

こちらは物権的請求権は「相手の行為を請求する権利」と考え、

相手に「行為」を請求して、費用も相手持ち

という考え方です。

ですので、あなたはお隣さんに、

「『考える人』をよせてくれ」

と言えば、お隣さんの費用で

『考える人』をよせることになります。

 

逆にお隣さんが

「私の『考える人』を返して」

と言ったら、

あなたの費用で、

「考える人」をよせなければいけないことになります。

 

そう、つまり、

早い者勝ちになるのです。

 

これがこの説の欠点ですが、

こちらが判例となっています。

 

 ②認容請求権説

もうひとつの説は、物権的請求権は、

「相手方にこちらの行為を認容してもらうという権利」

と考えるという説です。

こちらの説ですと、

「あなたの『考える人』をよせますよ」

「あなたの土地から『考える人』を救出しますよ」

と、相手に認容してもらい、

費用は自分持ちということになります。

 

という2つの説があり、

判例は①の行為請求権説を取っているわけですが、

行為請求権説を少し修正した、

修正行為請求権説というものもあり、

少し説明いたします。

 

余裕がある方はついてきてください。

 

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こちらは原則としては

行為請求権説(早いもの勝ちで相手負担)ですが、

例外として、

「相手方の行為によらないで、

相手方が占有を取得」したのであれば、

相手方は認容義務のみを

負うにとどまるというものです。

 

『「あなたの行為で占有を取得」

したのでなければ、

あなたは認容義務のみを負うにとどまる』

という例で説明します。

 

今回の件では、地震という自然災害で、

お隣さんの「考える人」が

倒れこんできたので、

あなたの行為で占有を取得したわけではありません。

 

この場合は、お隣さんが先に

あなたに物権的請求権を行使したとしても、

「『考える人』を回収するので

土地に入ることをお許し下さい」と

あなたの認容を請求する権利にとどまり、

費用もお隣さん持ちということになります。

 

逆にあなたが先にお隣さんに

妨害排除請求権した場合

(「『考える人』をよせて」と言った場合)は、

行為請求権説の原則どおり、

あなたはお隣さんに『考える人』

をよせる行為を請求でき、

費用もお隣さんの負担となります。

 

ちょっとややこしかったかもしれませんが、

自分の庭に、自分のしわざでなく他人のものが入ってきて、

「早い者勝ちで費用負担」はひどいのでは?

という気持ちから生まれた修正案とお考えください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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