リラックス法学部 行政法をわかりやすく解説 > 行政法 取消訴訟についてわかりやすく解説

 

取消訴訟

取消訴訟には

「処分の取消しの訴え」と

「裁決の取消しの訴え」があります。

 

まずは行政事件訴訟法の条文を見てみましょう。

行政事件訴訟法

第三条  この法律において「抗告訴訟」とは、

行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。

 

2  この法律において「処分の取消しの訴え」とは、

行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為

(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。

以下単に「処分」という。)

の取消しを求める訴訟をいう。

 

という事で、行政事件訴訟法では、

「その他公権力の行使に当たる行為」

も含めて処分といい、

「その他公権力の行使に当たる行為」

に対する取消訴訟もできます。

 

 続いて行政事件訴訟法の3条を見てみましょう。

 

 行政事件訴訟法

3  この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、

審査請求、異議申立てその他の不服申立て

以下単に「審査請求」という。)に対する

行政庁の裁決、決定その他の行為

以下単に「裁決」という。)

の取消しを求める訴訟をいう。

 

という事で、こちらでは、

「審査請求、異議申立て

その他の不服申立て」を

単に「審査請求」

「行政庁の裁決、決定その他の行為」

を単に「裁決」

という事にすると言っています。

 

つまり「裁決の取消しの訴え」の

「裁決」決定その他の行為も含めた「裁決」ですので、

決定その他の行為に対しても

「裁決の取消しの訴え」ができることになります。

 

また、「審査請求」は異議申立て

その他の不服申立ても含めて「審査請求」ですので、

ここの言葉づかいを

しっかりと頭に入れておきましょう。

 

続いて行政事件訴訟法9条を見てみましょう。

 

行政事件訴訟法

第九条  処分の取消しの訴え及び

裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)は、

当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき

法律上の利益を有する者

(処分又は裁決の効果が期間の経過

その他の理由によりなくなつた後においてもなお

処分又は裁決の取消しによつて回復すべき

法律上の利益を有する者を含む。)に限り、

提起することができる。

 

冒頭で私は『取消訴訟には

「処分の取消しの訴え」と

「裁決の取消しの訴え」があります』

と申しましたが、

処分の取消しの訴え及び

裁決の取消しの訴え(以下「取消訴訟」という。)

とこちらが根拠となります。

 

そしてこちらの条文には

原告適格(訴えを提起できる人)

について書かれています。

 

取消訴訟を提起できるのは

「法律上の利益を有する者」という事になります。

 

「法律上の利益を有する者」

とはどんな者でしょうか?

 

 

行政事件訴訟法9条2項を見てみましょう。

 

行政事件訴訟法9条

2  裁判所は、処分又は

裁決の相手方以外の者について前項に規定する

法律上の利益の有無を判断するに当たつては

当該処分又は裁決の根拠となる

法令の規定の文言のみによることなく、

当該法令の趣旨及び目的並びに

当該処分において考慮されるべき

利益の内容及び性質を考慮するものとする。

 

この場合において、

当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては

当該法令と目的を共通にする関係法令があるときは

その趣旨及び目的をも参酌するものとし、

当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては

当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反して

された場合に害されることとなる

利益の内容及び性質並びに

これが害される態様及び程度をも勘案するものとする。

 

という事で、読んでいて

混乱したと思いますが(笑)

法律上の利益があるかどうかは、

文言のみならず、

よくよく吟味して考えるものであると

認識してください。

 

今回は抗告訴訟の取消訴訟について

条文を中心に説明してまいりました。

今回おわかりいただけたと思いますが、

条文で「以下〇〇という」と呼び方のルールや定義を

規定していたりする事は多々あります。

 

「裁決」が決定その他の行為も含めている

という事を知らなければ、

「あれ?決定はどうなるんだろ?」

というふうに、理解に苦しむ事になりますし、

誤った理解のまま次に進んでしまう事になります。

 

行政法に限らず、法律を勉強する際は

条文を常に確認しながら、

学習していっていただきたいと思います。

それでは最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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