共同不法行為と政府の保障事業

(昭和54年12月4日最高裁)

事件番号  昭和53(オ)1361

 

この裁判では、

交通事故の加害車の保有者のうち一名だけでも明らかで、かつ、

同人が自賠責保険に加入していて自賠責保険から損害の填補を

受けることができるときにおいて、

被害者は、政府の行う自動車損害賠償保障事業に対し

甲自動車に関する保障金を請求することができるかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

政府の保障事業による救済は、

他の手段によっては救済を受けることができない

交通事故の被害者に対し、

最終的に最小限度の救済を与える趣旨のものであると

解するのが相当であり、したがって、

自賠法72条1項により政府の保障事業に対して

被害者がする保障金の請求は、複数の自動車の運行によって

生命又は身体が害されるに至った

共同不法行為の場合についていうと、

全加害車の保有者が明らかでないか、又は

そのなかに保有者の明らかなものがあっても

当該保有者が自賠責保険に加入していないか若しくは

加入していても事故につき被保険者となるべき者でないため、

被害者が自賠責保険から損害の填補を受けることができないときにおいて、

することができるのであって、複数の加害車の保有者のうち

一名だけでも明らかであり、かつ、同人が自賠責保険に加入していて

事故につき被保険者となるべき者であるため、

同人の加入している自賠責保険から損害の填補を

受けることができるときにおいては、

することができない、と解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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