道路法に定める道路の開設

(昭和44年12月4日最高裁)

事件番号  昭和41(オ)211

 

この裁判では、

道路法所定の道路として適法に供用の開始があった道路敷地について

所有権を取得し登記を経た第三者が道路管理者に対し

使用権原取得の対抗要件の欠歌を主張しうる場合と

右管理者に対する損害賠償請求の許否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

道路法に定める道路を開設するためには、原則として、

まず路線の指定または認定があり、道路管理者において

道路の区域を決定し、その敷地等の上に

所有権その他の権原を取得し、必要な工事を行なって

道路としての形体をととのえ、さらに、

その供用を開始する手続に及ぶことを必要とするものであって、

他人の土地について何らの権原を取得することなく

供用を開始することが許されないことはもちろんであるが、

上記の手続を経て当初適法に供用開始行為がなされ、

道路として使用が開始された以上、当該道路敷地については

公物たる道路の構成部分として

道路法所定(道路法四条、旧道路法六条)

の制限が加えられることとある。

 

そして、その制限は、当該道路敷地が公の用に

供せられた結果発生するものであって、

道路敷地使用の権原に基づくものではないから、その後に至って、

道路管理者が対抗要件を欠くため右道路敷地の使用権原をもって

後に右敷地の所有権を取得した第三者に対抗しえないこととなっても、

当該道路の廃止がなされないかぎり、

敷地所有権に加えられた右制限は

消滅するものではない。

 

したがって、その後に当該敷地の所有権を取得した右の第三者は、

上記の制限の加わった状態における

土地所有権を取得するにすぎないものと解すべきであり、

道路管理者に対し、当該道路敷地たる土地について

その使用収益権の行使が妨げられていることを理由として、

損害賠償を求めることはできないものといわなければならない

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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