指名債権の二重譲渡と民法478条

(昭和61年4月11日最高裁)

事件番号  昭和57(オ)272

 

この裁判では、

指名債権の二重譲渡と民法478条について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

二重に譲渡された指名債権の債務者が、

民法467条2項所定の対抗要件を具備した

他の譲受人(以下「優先譲受人」という。)より

のちにこれを具備した譲受人(以下「劣後譲受人」といい、

「譲受人」には、債権の譲受人と同一債権に対し

仮差押命令及び差押・取立命令の執行をした者を含む。)に対してした

弁済についても、同法478条の

規定の適用があるものと解すべきである。

 

思うに、同法467条2項の規定は、

指名債権が二重に譲渡された場合、

その優劣は対抗要件具備の先後によって決すべき旨を定めており、

右の理は、債権の譲受人と同一債権に対し

仮差押命令及び差押・取立命令の執行をした者との間の

優劣を決する場合においても異ならないと解すべきであるが、

右規定は、債務者の劣後譲受人に対する弁済の効力についてまで

定めているものとはいえず、その弁済の効力は、

債権の消滅に関する民法の規定によつて決すべきものであり、

債務者が、右弁済をするについて、

劣後譲受人の債権者としての外観を信頼し、

右譲受人を真の債権者と信じ、かつ、

そのように信ずるにつき過失のないときは、

債務者の右信頼を保護し、取引の安全を図る必要があるので、

民法478条の規定により、右譲受人に対する弁済は

その効力を有するものと解すべきであるからである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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