リラックス法学部 > 初学者の部屋 > いつから履行遅滞になるのか?

 

債務者が正当な理由もなく、

債務の本旨に従った履行をしないことを

債務不履行といいますが、

債務不履行には履行遅滞、履行不能、不完全履行の

3つのパターンがあります。

 

その中の履行遅滞は、

履行が可能なのに期日に履行をしない状態ですが、

「いつから履行遅滞となるのか?」

という点を説明していきたいと思います。

 

確定期限付きの債務の場合いつから履行遅滞となるのか?

確定期限が決められている場合は、

確定期限の到来の時から履行遅滞となります。

 

例えば売買契約を3月1日に締結し、

同日買主は代金の全額を支払い、

商品の引渡しを3月10日と定めた場合は、

3月10日に商品の引渡しがなければ

履行遅滞となります。

 

不確定期限付きの債務の場合いつから履行遅滞となるのか?

不確定期限とは到来する事は確実だが、

いつ到来するか確定していないものですが、

この時は、債務者が期限の到来を知った時から

履行遅滞となります。

 

例えば、「祖父が死亡したら」という

不確定期限が付いていたら、

債務者が「祖父の死亡」を知った時から

履行遅滞となります。

 

期限の定めのない債務の場合いつから履行遅滞となるのか?

いつ履行をするのか、

期限を定めなかった場合は、

債務者は履行の請求を受けた時から履行遅滞となります。

 

いつ返すか決めずにギターを借りて、

「そろそろあのギター返して」と

請求された時に履行の遅滞となります。

 

なお、これがお金(マネー)となると少し話が異なります。

 

期限の定めのない消費貸借債務の場合いつから履行遅滞となるのか?

消費貸借とは、借りたものを消費して、

後日同じものを調達して返すというものです。

 

お金(マネー)がその例です。

(お金の場合、金銭消費貸借契約といいます)

消費貸借契約で期限の定めのないときは、

債権者が相当の期間を定めて催告をし、

相当期間が経過して履行期限になっても、

履行がされない場合に履行遅滞となります。

 

なお、期間を定めずに催告した場合は、

客観的に相当と考えられる期間が経過したときに

履行遅滞となります。

 

不法行為に基づく損害賠償債務はいつから履行遅滞になるのか?

不法行為の時から履行遅滞となります。

 

交通事故でケガをおわせてしまった場合、

事故の時から履行遅滞の状態に

陥っています。

 

被害者に請求された時からではないので

注意しましょう。

 

という事で、今回は

いつから履行遅滞となるのかについて説明してまいりました。

試験などで、よく問われやすいポイントです。

 

単純に覚えていれば点になり、

うろ覚えだと取りこぼすポイントですので、

しっかりおさえておきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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