債務不履行による損害賠償

債務不履行による損害賠償は、通常生ずる損害の他、

当事者がその事情を予見し、

または予見することができたときは、

特別の事情によって生じた

損害の賠償を請求することもできます。

 

なお、この特別の事情によって生じた損害については、

不法行為の損害賠償の場合も同様の扱いとなります。

 

次で説明する過失相殺については、

債務不履行と不法行為で異なる点がありますので、

ご注意ください。

 

債権者に過失がある場合の債務不履行責任の過失相殺

債権者に過失があるときは、債務不履行責任は

必ず過失相殺がされます

(債務者の責任が否定されることもあります。)

 

不法行為による損害賠償の場合、

過失相殺をするかどうかは裁判所の裁量になります。

 

不法行為の場合は、過失相殺は

しないということもできますが、

債務不履行責任の場合は、

必ず過失相殺がされるという点に注意しましょう。

 

 

金銭債務の債務不履行

金銭債務の債務不履行については、

損害賠償の額は、法定利率によって定めます。

 

約定利率が法定利率を超えるときは、

約定利率によります

 

「超えるとき」にご注意ください。

なんとなく一般的な感覚ですと、

法定利率よりも高い利率を定めた場合に、

法定利率に引き直された利率になる

ということになりそうですが、

そうではなく、法定利率よりも低い利率を定めた場合は、

法定利率によって定め、

法定利率よりも高い約定をした場合は、

約定をした利率となる点にご注意ください。

 

損害賠償の予定

損害賠償の予定とは、現実の損害額に関わらず、

あらかじめ債務の不履行について損害賠償の額を

当事者が決めておくというものです。

 

損害賠償の予定をした場合、

当事者はもちろん、

裁判所は、その額を増減することができません

(過失相殺はすることができますのでご注意を。)

 

債権者は、損害の発生や損害額の立証をしなくても、

債務不履行があったことさえ証明すれば、

予定された賠償額を請求できます。

 

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