リラックス法学部 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説 >民事保全法 保全命令

 

保全命令

保全命令とは仮差押え、

仮処分(係争物に関する仮処分と仮の地位を定める仮処分)のことです。

 

民事保全法

(趣旨)

第一条 

民事訴訟の本案の権利の実現を保全するための

仮差押え及び係争物に関する仮処分並びに民事訴訟の本案の権利関係につき

仮の地位を定めるための仮処分(以下「民事保全」と総称する。)については、

他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

 

 

民事保全法における裁判は、決定または命令によって行われます。

(判決はありません)

 

ですので、民事保全の手続きは口頭弁論を経ずにすることができます。

 

(任意的口頭弁論)

第三条 民事保全の手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。

 

民事訴訟法の原則では、

決定は送達することは要しませんが、

保全命令は当事者双方に送達されます。

 

(決定の理由)

第十六条 保全命令の申立てについての決定には、

理由を付さなければならない。

ただし、口頭弁論を経ないで決定をする場合には、

理由の要旨を示せば足りる。

 

また、保全命令に対して、

保全抗告という手段を取ることができますが、

送達を受けた日から

2週間の不変期間以内となっています。

民事訴訟法の即時抗告、

民事執行法の執行抗告の場合は、

どちらも「告知から1週間の不変期間」です。

 

このように保全命令は決定でありながら、

民事訴訟法、民事執行法の決定よりも

厳格に扱われていると

イメージしていただくとよいと思います。

 

裁判所の管轄は本案の裁判所か、

仮差押したいもの、仮処分したいものの

ある場所ですが、特許権に関する訴えは

例外として本案の裁判所が管轄になります。

 

第十二条 保全命令事件は、

本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは

係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。

2 本案の訴えが民事訴訟法第六条第一項に規定する

特許権等に関する訴えである場合には、

保全命令事件は、前項の規定にかかわらず、本案の管轄裁判所が管轄する。

ただし、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が

同条第一項各号に定める裁判所であるときは、その裁判所もこれを管轄する。

 

 第十三条 保全命令の申立ては、その趣旨並びに保全すべき権利又は

権利関係及び保全の必要性を明らかにして、これをしなければならない。

2 保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性は、

疎明しなければならない。

 

本案前の差押え、処分という「仮」なので、

「保全すべき権利又は権利関係及び

保全の必要性」は証明でなく、

疎明で足ります。

ただし「及び」に注意しましょう。

 

 民事訴訟法・民事執行法・民事保全法をわかりやすく解説


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