「和解」とは、

争っている当事者どうしが互いに譲歩して

お互い納得できる妥協点を見つけて

争いを終了させることですが、裁判上での和解と、

裁判外の和解(裁判に至る前の和解)では

その効力が大きく異なります。

 

「裁判上の和解」の効力の方が

裁判外の和解よりも非常に強力です。

 

裁判外の和解は、

「和解契約が成立した」

というものです。

 

これに対して、裁判上の和解は、

裁判所はこれを公文書として「和解調書」を作成し、

この和解調書は、確定判決と同一の効力を有します。

(民事訴訟法第267条)

 

ですから、和解調書に基づいて、

強制執行の申立てをすることができます。

 

実は日本の民事裁判は、

和解によって終結する場合が非常に多いです。

 

 

裁判官が当事者双方に、

どこまでだったら可能か、妥協できるかを

探って、和解をうながす場合が非常に多いようです。

 

当事者がお互いに妥協できず、最後まで争うと

裁判官は判決を書かなければならなくなりますが、

こうなると裁判官は

相当な量の文章を書かなければならなくなります。

 

訴訟が和解で終結すれば

大幅に裁判官の負担をカットできるのです。

(裁判官は日々押し寄せる膨大な量の仕事を

こなさなければならないのです。)

 

当事者としても、

債権者は当然債権の満額を回収したいのは山々ですが、

債務者の支払い能力から照らして、

現実的に可能な範囲で妥協をして、

できるだけはやく、穏便に

争いを終結させた方が得策な場合も少なくありません。

 

裁判上の和解は

当事者間、裁判官、三方よしとなる場合が

少なくないのです。

 

ということで裁判上の和解と裁判外の和解の効力の違いを

しっかりおさえておいてください。

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