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ナニワ金融道からカバチタレ・極悪がんぼに繋がる世界観

 

ナニワ金融道は青木雄二先生の作品で、1990年からモーニングで連載され、

ドラマ化もされた作品で、原作の漫画をご覧になっていない方も、

タイトルはご存知かと思いますし、金貸しの話という概要はご存知かと思います。

 

この作品と青木雄二先生へのリスペクトの念を込めて

これから文章を書かせていただきます。

 

「お前、本当にこの作品が好きなのか?」

「バカにしてるのか?」

 

と思われる表現が多々あるかと思いますが、

本当に尊敬と愛情の念を込めてつづっておりますので、

何卒ご了承ください。

 

この作品は法律やさまざまな商慣習のルールや、業界の知識が盛り込まれて

社会勉強になるというとらえ方をされたりもします。

もちろんそうなんですが、それは表面的な魅力の一部にすぎません。

その法律やルールなどを、どうとらえ、どう扱い、どう動くのかという、

人間描写の秀逸さがこの作品の魅力と私は思っています。

後に青木雄二先生が監修で田島隆先生・東風孝広先生の「カバチタレ」

という作品が生まれるという流れになっていきますが、

田島隆先生が作る世界もこれをしっかりと継承しています。

「カバチタレ」はよく「法テク漫画」というふうに、

法律知識を学べる漫画というとらえ方をされますが、

これも表面的な要素のひとつで、作品の魅力はその奥にあると私は思っています。

という事で話をナニワ金融道に戻しまして、

まずナニワ金融道を手に取り目に入るのは、

この衝撃的な絵心。

 

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後に青木雄二先生はエッセイ、コラムで

「ワシは、作画力があるから、べっぴんさんもブサイクも自在に

描き分ける事ができるんやでー」

という事をおっしゃっていたと思いますが、

この他の追随を許さないズ太さがまず魅力です。

 

また、背景や備品、役所や法律関係の文書なども逐一本物の文書のように

細かいディテールで手書き書ききる律儀さと根性が、

漫画の紙から青木雄二先生の汗と油の男臭さとともににじみ出ています。

 

また、人間の欲、弱さを、

様々な職業、生い立ち、環境の立場で描きます。

備品や書類のディテールに象徴される

執念深いまでの観察力で人間模様が描かれています。

強烈すぎるほどの人間描写は気軽に読めたものではありません…。

一話一話、読むのにメチャクチャパワーを使います。

ドストエフスキーの「罪と罰」に大きな影響を受け、マルクス・レーニンの著作を

ボロボロになるまで読み込んだという青木雄二先生の思想と、

登場人物や店、看板の名前の下品さの織りなす、

異臭を放つ世界観はめまいがするほどです(笑)

 

ちなみに、カバチタレの原作者・田島隆先生は、

ナニワ金融道の連載が始まった頃に海事代理士・行政書士として活躍されていて、

ナニワ金融道に感銘を受け、「こんなネタがあります」と添えたファンレターを送り、

これに興味を持った青木雄二先生が田島隆先生にコンタクトを取り、

ナニワ金融道の最後の長丁場、船の登記をめぐる詐欺の話が生まれました。

そしてナニワ金融道が完結し、カバチタレが始まるという流れになっていきます。

 

青木雄二先生は2003年に58歳という若さでお亡くなりになりますが、

その後もカバチシリーズは続き、現在でもカバチシリーズの単行本の最後に

「この作品を故・青木雄二先生に捧げます。

田島隆 東風孝広」

と記されています。

 

このように、ナニワ金融道は現在の田島・東風作品の礎ともなる作品で、

青木雄二先生の没後も青木雄二プロダクションという名義で、

ナニワ金融道の続編が発表され、

 

ヘタな絵はしっかり継承されています。

 

という事で、ナニワ金融道は劇薬としかいいようのないパワフルでヘビーな作品ですので、

精神的に余裕のある方にオススメです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

この文章を故・青木雄二先生に捧げます。

リラックス・ヨネヤマ

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