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【刑法判例】久留米駅事件(労働争議行為の違法性阻却事由の有無)の要点をわかりやすく解説

久留米駅事件(労働争議行為の違法性阻却事由の有無)

(昭和48年4月25日最高裁)

昭和43(あ)837号

 

国鉄労働組合員のX、Y、Zが、

労働組合が行った闘争に参加し、

Xは、久留米駅東てこ扱所2階の信号所の勤務者を、

勤務時間2時間の職場集会に

参加することを勧誘、説得するために、

係員以外立ち入り禁止の信号所に立ち入り、

Y、Zも信号所に立ち入りました。

 

この裁判では、勤労者の組織的集団行動としての

争議行為に際して行なわれた犯罪構成要件該当行為について、

刑法上の違法性阻却事由の有無の判断が注目されました。

 

最高裁判所の見解

勤労者の組織的集団行動としての争議行為に際して

行なわれた犯罪構成要件該当行為について

刑法上の違法性阻却事由の有無を判断するにあたっては、

その行為が争議行為に際して

行なわれたものであるという事実をも含めて、

当該行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、

それが法秩序全体の見地から

許容されるべきものであるか否かを

判定しなければならないのである。

 

これを本件について見るに、信号所は、いうまでもなく、

列車の正常かつ安全な運行を確保するうえで

極めて重要な施設であるところ、

原判決の判示するところによれば、被告人Xは、

当局側の警告を無視し、勧誘、説得のためであるとはいえ、

前記のような状況のもとに、かかる重要施設である

久留米駅東てこ扱所二階の信号所の勤務員三名をして、

寸時もおろそかにできないその勤務を放棄させ、

勤務時間内の職場集会に参加させる意図をもって、

あえて同駅長の禁止に反して同信号所に侵入したものであり、

また、被告人Yおよび同Zは、

労働組合員ら多数が同信号所を占拠し、

同所に対する久留米駅長の管理を事実上排除した際に、これに加わり、

それぞれ同所に侵入したものであって、

このような被告人ら三名の各侵入行為は、

いずれも刑法上違法性を欠くものでないことが明らかである。

 

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