刑法242条の「他人の占有に属する物を窃取」

(平成元年7月7日)

事件番号  昭和59(あ)1168

 

この裁判では、買戻約款付自動車売買契約により自動車金融をしていた貸主が、

借主の買戻権喪失により自動車の所有権を取得した後、

借主の事実上の支配内にある自動車を承諾なしに引き揚げた行為は、

刑法242条にいう他人の占有に属する物を窃取したものとして

窃盗罪を構成するかについて裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

被告人が自動車を引き揚げた時点においては、

自動車は借主の事実上の支配内にあったことが明らかであるから、

かりに被告人にその所有権があったとしても、

被告人の引揚行為は、刑法242条にいう

他人の占有に属する物を窃取したものとして

窃盗罪を構成するというべきであり、かつ、その行為は、

社会通念上借主に受忍を求める限度を超えた

違法なものというほかはない

 

したがって、これと同旨の原判決の判断は正当である。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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