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【判例】外国法人に該当するか否かの判断の方法(平成27年7月17日最高裁)

外国法人に該当するか否かの判断の方法

(平成27年7月17日最高裁)

事件番号  平成25(行ヒ)166

 

この裁判では、

外国法に基づいて設立された組織体が

所得税法2条1項7号及び法人税法2条4号に定める

外国法人に該当するか否かの判断の方法について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

本件においては,本件各LPSが行う本件各不動産賃貸事業により生じた所得が

本件各LPS又は本件出資者らのいずれに帰属するかが争われているところ,

複数の者が出資をすることにより構成された組織体が

事業を行う場合において,その事業により生じた利益又は損失は,

別異に解すべき特段の事情がない限り,

当該組織体が我が国の租税法上の法人に該当するときは

当該組織体に帰属するものとして課税上取り扱われる一方で,

当該組織体が我が国の租税法上の法人に該当しないときは

その構成員に帰属するものとして課税上取り扱われることになるから,

本件における上記の所得の帰属を判断するに当たっては,

本件各LPSが所得税法2条1項7号及び

法人税法2条4号(以下「所得税法2条1項7号等」という。)に

共通の概念として定められている外国法人として

我が国の租税法上の法人に該当するか否かが問題となる。

 

イ 我が国の租税法は組織体のうちその構成員とは

別個に租税債務を負担させることが相当であると認められるものを

納税義務者としてその所得に課税するものとしているところ,

ある組織体が法人として納税義務者に該当するか否かの問題は

我が国の課税権が及ぶ範囲を決する問題であることや,

所得税法2条1項7号等が法人に係る諸外国の立法政策の

相違を踏まえた上で外国法人につき

「内国法人以外の法人」とのみ定義するに

とどめていることなどを併せ考慮すると,

我が国の租税法は,外国法に基づいて設立された組織体のうち

内国法人に相当するものとしてその構成員とは別個に

租税債務を負担させることが相当であると認められるものを

外国法人と定め,これを内国法人等とともに

自然人以外の納税義務者の一類型としているものと解される。

 

このような組織体の納税義務に係る制度の仕組みに照らすと,

外国法に基づいて設立された組織体が

所得税法2条1項7号等に定める

外国法人に該当するか否かは,当該組織体が

日本法上の法人との対比において

我が国の租税法上の納税義務者としての

適格性を基礎付ける属性を備えているか否かとの観点から

判断することが予定されているものということができる。

 

そして,我が国においては,

ある組織体が権利義務の帰属主体とされることが

法人の最も本質的な属性であり,

そのような属性を有することは我が国の租税法において

法人が独立して事業を行い得るものとして

その構成員とは別個に納税義務者とされていることの

主たる根拠であると考えられる上,

納税義務者とされる者の範囲は客観的に明確な基準により

決せられるべきであること等を考慮すると,

外国法に基づいて設立された組織体が

所得税法2条1項7号等に定める

外国法人に該当するか否かについては,

上記の属性の有無に即して,

当該組織体が権利義務の帰属主体とされているか否かを基準

として判断することが相当であると解される

 

その一方で,諸外国の多くにおいても,

その制度の内容の詳細には相違があるにせよ,

一定の範囲の組織体にその構成員とは別個の人格を承認し,

これを権利義務の帰属主体とするという

我が国の法人制度と同様の機能を有する制度が存在することや,

国際的な法制の調和の要請等を踏まえると,

外国法に基づいて設立された組織体につき,

設立根拠法令の規定の文言や法制の仕組みから,

日本法上の法人に相当する法的地位が付与されていること又は

付与されていないことが疑義のない程度に明白である場合には,

そのことをもって当該組織体が所得税法2条1項7号等に定める

外国法人に該当する旨又は該当しない旨の

判断をすることが相当であると解される

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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