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【労働法判例】ケンウッド事件(転勤命令の有効性)の要点をわかりやすく解説

ケンウッド事件(転勤命令の有効性)

(平成12年1月28日最高裁)

事件番号  平成8(オ)128

 

音響機器、通信機器等の製造販売を目的とするY社に

雇用されていたX(34歳・女性)は、

東京都目黒区青葉台の企画室で

庶務の仕事に従事していました。

 

Y社は、東京都八王子市のD事業所において、

カーオーディオ事業本部向けに

HIC(ハイブリッド・アイ・シー)の生産の

需要見通しが大幅に増加し、人員を増員する必要が生じ、

Xに異動命令を出しました。

 

Xは、本件移動命令の発令時、東京都品川区旗の台で、

夫と3歳の子と生活していました。

 

従来のXの通勤時間は50分、

夫の通勤時間は40分で、夫と分担して

子どもを保育園へ送迎していました。

 

Xが異動することになると、Xの通勤時間は

1時間45分となり、子どもの保育園の送迎に

支障が生じることになります。

 

Xは、Y社の苦情処理委員会に苦情申立てをしましたが、

同委員会は、この申立てを棄却する旨の裁定を行いました。


そしてXは、本件異動命令に従わず、

D事業所に出勤しませんでした。

 

Y社は、事態の打開を図るため、

Xと勤務時間、保育問題等について

話し合ってできる限りの配慮をしたいと考えていましたが、

Xは、この話合いに積極的に応じようとせず、

本件異動命令拒否の態度を貫き、

Y社の担当者に話合いの機会を与えないまま

欠勤を続けました。

 

そこで、Y社は、懲戒規定に基づいて、

1か月の停職とし、さらに、停職期間満了後も

XがD事業所に出勤しなかったので、

Xを懲戒解雇しました。


Xは、本件移動命令は権利の濫用であり、

懲戒解雇は無効であるとして、

労働契約上の権利を有する地位の確認を求めて

訴えを提起しました。

 

1審および原審ともに、Xの請求は棄却され、

Xは上告しました。

 

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最高裁判所の見解

Y社の就業規則には、

「会社は、業務上必要あるとき従業員に異動を命ずる。

なお、異動には転勤を伴う場合がある。」との定めがあり、

Y社は、現に従業員の異動を行っている。

 

XとY社の間の労働契約において就労場所を限定する旨の

合意がされたとは認められない。

 

Y社は、個別的同意なしにXに対しいずれも

東京都内に所在する企画室から

八王子事業所への転勤を命じて

労務の提供を求める権限を有するものというべきである。

 

もっとも、転勤命令権を濫用することが許されないことは

いうまでもないところであるが、転勤命令は、

業務上の必要性が存しない場合又は

業務上の必要性が存する場合であっても

不当な動機・目的をもってされたものであるとき若しくは

労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える

不利益を負わせるものであるとき等、

特段の事情の存する場合でない限りは、

権利の濫用になるものではないというべきである。

 

Y社の八王子事業所のHICプロジェクトチームにおいては

従業員の補充を早急に行う必要があり、

人選基準を設け、これに基づき同年内にXを選定した上

本件異動命令が発令されたというのであるから、

本件異動命令には業務上の必要性があり、

これが不当な動機・目的をもってされたものとはいえない。

 

また、これによってXが負うことになる不利益は、

必ずしも小さくはないが、なお通常甘受すべき程度を

著しく超えるとまではいえない

 

したがって、他に特段の事情のうかがわれない本件においては、

本件異動命令が権利の濫用に当たるとはいえないと解するのが相当である。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

 

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