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【労働法判例】高田建設事件(労災保険給付)の要点をわかりやすく解説

高田建設事件(労災保険給付)

(平成元年4月11日最高裁)

事件番号  昭和63(オ)462

 

Xは、業務として普通貨物自動車を運転中に、

Aが運転する乗用車と衝突して負傷しました。

 

Xは、この事故により、療養費、通院費、入院付添費、

入院雑費、休業補償、入通院慰謝料の損害を被りました。

(後に弁護士費用等もかかりました。)

 

Xは、Aと、A運転の乗用車の所有者であるY社に対して

損害賠償を請求しました。

(Xは、自賠責保険から療養費が、

労災保険から休業補償給付が支給され、

また、Y社から150万円の支払いがなされました。)

 

第1審は、損害賠償額全体から労災保険給付分を控除した後、

Xの過失分7割を減額した額の損害賠償を認めました。

 

原審は、Xの過失分を6割と認定し、Xの過失分をまず減額したところ、

休業損害は、労災保険給付により全額が填補され、その他の損害も、

自賠責保険とY社の支払いによって全額填補されているとの理由により、

Xの請求を棄却しました。

 

そこで、Xが上告しました。

 

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最高裁判所の見解

労働者災害補償保険法(以下「法」という。)に基づく

保険給付の原因となった事故が第三者の行為により惹起され、

第三者が右行為によって生じた損害につき賠償責任を負う場合において、

右事故により被害を受けた労働者に過失があるため

損害賠償額を定めるにつきこれを一定の割合で斟酌すべきときは、

保険給付の原因となった事由と

同一の事由による損害の賠償額を算定するには、

右損害の額から過失割合による減額をし、

その残額から右保険給付の価額を控除する方法によるのが相当である。

 

法12条の4は、事故が第三者の行為によって生じた場合において、

受給権者に対し、政府が先に保険給付をしたときは、

受給権者の第三者に対する損害賠償請求権は右給付の価額の限度で

当然国に移転し(一項)、第三者が先に損害賠償をしたときは、

政府はその価額の限度で保険給付をしないことができると定め(二項)、

受給権者に対する第三者の損害賠償義務と政府の保険給付義務とが

相互補完の関係にあり、同一の事由による

損害の二重填補を認めるものではない趣旨を明らかにしているのであって、

政府が保険給付をしたときは、

右保険給付の原因となつた事由と同一の事由については、

受給権者が第三者に対して取得した損害賠償請求権は、

右給付の価額の限度において国に

移転する結果減縮すると解されるところ

損害賠償額を定めるにつき労働者の過失を斟酌すべき場合には、

受給権者は第三者に対し右過失を斟酌して定められた額の

損害賠償請求権を有するにすぎないので、

同条一項により国に移転するとされる損害賠償請求権も

過失を斟酌した後のそれを意味すると解するのが、

文理上自然であり、右規定の趣旨にそうものといえる。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

 

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