所在不明となった県職員に対する懲戒免職処分の効力

(平成11年7月15日最高裁)

事件番号  平成9(オ)367

 

この裁判では、

所在不明となった県職員に対する懲戒免職処分の効力について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

所在が不明な公務員に対する懲戒処分は、

国家公務員に対するものについては、

その内容を官報に掲載することをもって

文書を交付することに替えることが認められているところ、

地方公務員についてはこのような規定は法律にはなく、

兵庫県条例にもこの点に関する規定がないのであるから、

所在不明の兵庫県職員に対する懲戒免職処分の内容が

兵庫県公報に掲載されたことをもって直ちに

当該処分が効力を生ずると解することは

できないといわざるを得ない

 

上告人は、従前から、所在不明となった

職員に対する懲戒免職処分の手続について、

「辞令及び処分説明書を家族に送達すると共に、

処分の内容を公報及び新聞紙上に公示すること」

によって差し支えないとしている昭和30年9月9日付け

自丁公発第152号三重県人事委員会事務局長あて

自治省公務員課長回答を受けて、

当該職員と同居していた家族に対し

人事発令通知書を交付するとともに

その内容を兵庫県公報に掲載するという方法で

行ってきたというのであり、

記録上そのような事実がうかがわれるところである。

 

そうであるとするなら、兵庫県職員であった被上告人は、

自らの意思により出奔して無断欠勤を続けたものであって、

右の方法によって懲戒免職処分がされることを

十分に了知し得たものというのが相当であるから、

出奔から約2箇月後に右の方法によってされた

本件懲戒免職処分は効力を生じたものというべきである。

 

全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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