保険会社が自動車損害賠償保障法16条1項の規定に基づいて被害者に対して負担する損害賠償債務と商法514条

(昭和57年1月19日最高裁)

事件番号  昭和54(オ)34

 

この裁判では、

保険会社が自動車損害賠償保障法16条1項の規定に基づいて

被害者に対して負担する損害賠償債務と商法514条について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

不法行為の被害者が、自己の権利擁護のため訴を

提起することを余儀なくされ、

訴訟追行を弁護士に委任した場合には、

その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額

その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものにかぎり、

右不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきであることは

当裁判所の判例とするところであり

(最高裁昭和41年(オ)第280号同44年2月27日

第一小法廷判決・民集23巻2号441頁)、

この理は、被害者が自動車損害賠償保障法16条1項に基づき

保険金額の限度において損害賠償額の支払を保険会社に対

して直接請求する場合においても

異ならないと解するのが相当である。

 

原審の適法に確定した事実関係及び本件訴訟の経過に照らし、

原審の認容した限度で本件交通事故と弁護士費用との

相当因果関係を肯認した原審の判断は正当である。

 

自動車損害賠償保障法16条1項に基づく

被害者の保険会社に対する直接請求権は、

被害者が保険会社に対して有する損害賠償請求権であって、

保有者の保険金請求権の変形ないしは

それに準ずる権利ではないのであるから、

保険会社の被害者に対する損害賠償債務は商法514条所定の

「商行為ニ困リテ生シタル債務」には当らないと解すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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