リラックス法学部 >刑法をわかりやすく解説 > 賄賂罪(収賄罪・贈賄罪)の構成要件をわかりやすく解説

 

賄賂罪は収賄罪と贈賄罪にわかれます。

その保護法益は、公務員の職務の不可買収姓と、

職務行為の公正の2つがあります。

 

収賄罪

収賄罪は、公務員がその職務に関して賄賂を

収受、または要求、約束することです。

 

不正行為を行わなくても、

賄賂を収受、または要求、約束することで成立します。

 

不正行為を行った場合は、

加重収賄罪として刑が加重されます。

 

公務員の「職務」とは、

抽象的(一般的)職務権限に属するものであれば足り、

現に具体的に担当している事務であることを要しません

 

判例は、収賄罪の成立範囲を

広くとる傾向にあります。

 

「賄賂」は、金銭的価値のあるものに限られず、

人の欲望を充足させるのに足りる一切のものをいいます。

 

収賄罪には次のものがあります。

 

・単純収賄罪

単純収賄罪は、公務員がその職務に関して賄賂を

収受、または要求、約束することで成立します。

 

・受託収賄罪

単純収賄罪と受託収賄罪の違いは「請託」の有無です。

請託とは、公務員に対して一定の職務行為を依頼することで、

請託がある場合は受託収賄罪となります。

 

・事前収賄罪

公務員になろうとする者が、公務員になる前に

賄賂を収受、または要求、約束することです。

請託があり、公務員になることで本罪が成立します。

 

・第三者供賄罪

公務員が第三者に賄賂を供与させる犯罪です。

自分が賄賂を受け取らず、

自分が関連する会社に賄賂を受け取らせても

収賄罪が成立するということです。

本罪が成立するためには請託の存在が要件となります。

 

・加重収賄罪

収賄罪は、公務員がその職務に関して

賄賂を収受、または要求、約束し、

不正行為を行った場合に成立します。

 

・事後収賄罪

公務員が退職後に賄賂を収受、または要求、約束することです。

本罪が成立するには、在職中に請託があり、

職務上の不正行為があったことが要件となります。

 

 

・あっせん収賄罪

公務員が業者の依頼で他の

公務員を紹介する場合の紹介料を

収受、または要求、約束することです。

 

本罪が成立するには、請託があり、

他の公務員の不正行為をあっせん

することが要件となります。

 

(単純収賄罪とその加重類型の加重収賄罪を除く、

全ての収賄罪の成立要件に「請託」があるということを

覚えておきましょう!)

 

贈賄罪

収賄罪の主体は公務員に限られる真正身分犯ですが、

贈賄罪の主体には制限はありません

賄賂の供与、申込み、約束が賄賂罪の実行行為となります。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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