窃取された自動車が起こした事故の所有者の運行供用者責任

(昭和48年12月20日最高裁)

事件番号  昭和47(オ)268

 

この裁判では、

窃取された自動車が起こした事故の所有者の

運行供用者責任について裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

事実関係のもとにおいては、本件事故の原因となった

本件自動車の運行は、訴外Dが支配していたものであり、

被上告人はなんらその運行を指示制御すべき立場になく、また、

その運行利益も被上告人に帰属していたと

いえないことが明らかであるから、

本件事故につき被上告人が自動車損害賠償保障法3条所定の

運行供用者責任を負うものでないとした原審の判断は、

正当として是認することができる

 

自動車の所有者が駐車場に自動車を駐車させる場合、

右駐車場が、客観的に第3者の自由な立入を禁止する

構造、管理状況にあると認めうるときには、

たとえ当該自動車にエンジンキーを

差し込んだままの状態で駐車させても、

このことのために、通常、

右自動車が第三者によって窃取され、かつ、

この第三者よつて交通事故が惹起されるものとはいえないから、

自動車にエンジンキーを差し込んだまま駐車させたことと

当該自動車を窃取した第三者が

惹起した交通事故による損害との間には、

相当因果関係があると認めることはできない

 

前示のように、本件自動車は、

原判示の状況にある被上告人の車庫に駐車されていたものであり、

右車庫は、客観的に第三者の自由な立入を禁止する構造、

管理状況にあったものと認められるから、

被上告人が本件自動車にエンジンキーを

差し込んだまま駐車させていたことと

上告人が本件交通事故によつて被つた損害との間に、

相当因果関係があるものということはできない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

交通事故判例コーナートップへ


行政書士試験にわずか147日で合格した勉強法

行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本


スポンサードリンク

関連記事