取締役と会社との取引が株主全員の合意によってされた場合と取締役会の承認
(昭和49年9月26日最高裁)
事件番号 昭和47(オ)1225
この裁判では、
取締役と会社との取引が
株主全員の合意によってされた場合と
取締役会の承認について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
商法265条が取締役と会社との取引につき
取締役会の承認を要する旨を定めている趣旨は、
取締役がその地位を利用して会社と取引をし、
自己又は第三者の利益をはかり、会社ひいて
株主に不測の損害を蒙らせることを
防止することにあると解されるところ、
原審の適法に確定したところによると、
Dから上告人への株式の譲渡は、Dの実質上の
株主の全員であるEら前記5名の合意によって
なされたものというのであるから、
このように株主全員の合意がある以上、
別に取締役会の承認を要しないことは、
上述のように会社の利益保護を目的とする
商法265条の立法趣旨に照らし当然であって、
右譲渡の効力を否定することは許されないものといわなければならない。
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