刑訴法220条1項2号にいう「逮捕の現場」

(平成8年1月29日最高裁)

事件番号  平成5(あ)518

 

この裁判では、

刑訴法220条1項2号にいう「逮捕の現場」について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

刑訴220条1項2号によれば、

搜査官は被疑者を逮捕する場合において

必要があるときは逮捕の現場で捜索、

差押え等の処分をすることができるところ、

右の処分が逮捕した被疑者の身体又は

所持品に対する捜索、差押えである場合においては、

逮捕現場付近の状況に照らし、被疑者の名誉等を害し、

被疑者らの抵抗による混乱を生じ、又は現場付近の

交通を妨げるおそれがあるといった事情のため、

その場で直ちに捜索、差押えを実施することが適当でないときには、

速やかに被疑者を捜索、差押えの実施に適する最寄りの場所まで連行した上、

これらの処分を実施することも、同号にいう

「逮捕の現場」における捜索、差押えと同視することができ、

適法な処分と解するのが相当である。

 

本件の事実関係の下では、

被告人三名に対する各差押えの手続は、

いずれも、逮捕の場で直ちにその実施をすることが適当でなかったため、

できる限り速やかに各被告人をその差押えを

実施するのに適当な最寄りの場所まで連行した上で

行われたものということができ、

刑訴法220条1項2号にいう「逮捕の現場」

における差押えと同視することができるから、

右各差えの手続を適法と認めた原判断は、是認することができる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


行政書士試験にわずか147日で合格した勉強法

行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本


スポンサードリンク

関連記事