刑訴法316条の17と自己に不利益な供述の強要

(平成25年3月18日最高裁)

事件番号  平成24(あ)199

 

この裁判では、

刑訴法316条の17と自己に不利益な供述の強要について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

公判前整理手続は,充実した公判審理を

継続的,計画的かつ迅速に行うために,

事件の争点及び証拠を整理する公判準備であるところ,

公判前整理手続において十分に争点及び証拠を整理するためには,

検察官の主張に対する反論として,被告人側の主張や

その取調べ請求証拠が明らかにされなければならないことから,

刑訴法316条の17は,被告人又は弁護人に対し,

検察官の証明予定事実を記載した書面の送付を受け,かつ,

同法316条の14,316条の15第1項の

各規定による証拠開示を受けた場合に,

公判期日においてすることを予定している主張があるときには,

これを明らかにするとともに,

その証明に用いる証拠の取調べを請求することを義務付けている。

 

このように,同法316条の17は,被告人又は弁護人において,

公判期日においてする予定の主張がある場合に限り,

公判期日に先立って,その主張を公判前整理手続で明らかにするとともに,

証拠の取調べを請求するよう義務付けるものであって,

被告人に対し自己が刑事上の責任を問われるおそれのある事項について

認めるように義務付けるものではなく,また,

公判期日において主張をするかどうかも

被告人の判断に委ねられているのであって,

主張をすること自体を強要するものでもない。

 

そうすると,同法316条の17は,

自己に不利益な供述を強要するものとはいえないから,

憲法38条1項違反をいう所論は前提を欠き,

刑訴法405条の上告理由に当たらない

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


行政書士試験にわずか147日で合格した勉強法

行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本


スポンサードリンク

関連記事