捜査機関の被告人のビデオ撮影した捜査活動の適法性
(平成20年4月15日最高裁)
事件番号 平成19(あ)839
この裁判では、
捜査機関の被告人のビデオ撮影した捜査活動の適法性について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
前記事実関係及び記録によれば,捜査機関において
被告人が犯人である疑いを持つ
合理的な理由が存在していたものと認められ,かつ,
前記各ビデオ撮影は,強盗殺人等事件の捜査に関し,
防犯ビデオに写っていた人物の容ぼう,体型等と被告人の容ぼう,
体型等との同一性の有無という犯人の特定のための重要な判断に
必要な証拠資料を入手するため,これに必要な限度において,
公道上を歩いている被告人の容ぼう等を撮影し,
あるいは不特定多数の客が集まるパチンコ店内において
被告人の容ぼう等を撮影したものであり,いずれも,通常,
人が他人から容ぼう等を観察されること自体は
受忍せざるを得ない場所におけるものである。
以上からすれば,これらのビデオ撮影は,捜査目的を達成するため,
必要な範囲において,かつ,相当な方法によって行われたものといえ,
捜査活動として適法なものというべきである。
ダウンベスト等の領置手続についてみると,被告人及びその妻は,
これらを入れたごみ袋を不要物として公道上のごみ集積所に排出し,
その占有を放棄していたものであって,排出されたごみについては,
通常,そのまま収集されて他人にその内容が
見られることはないという期待があるとしても,
捜査の必要がある場合には,刑訴法221条により,
これを遺留物として領置することができるというべきである。
・行政書士受験生にオススメのAmazon Kindle Unlimitedで読める本
スポンサードリンク
関連記事