控訴審の職権調査の範囲

(平成25年3月5日最高裁)

事件番号  平成24(あ)512

 

この裁判では、

控訴審の職権調査の範囲について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

本件のように,第1審判決の理由中で,本位的訴因とされた

賭博開張図利の共同正犯は認定できないが,

予備的訴因とされた賭博開張図利の幇助犯は

認定できるという判断が示されたにもかかわらず,

同判決に対して検察官が控訴の申立てをしなかった場合には,

検察官は,その時点で本位的訴因である共同正犯の訴因につき

訴訟追行を断念したとみるべきであって,

本位的訴因は,原審当時既に当事者間においては

攻防の対象から外されていたものと解するのが相当である

(最高裁昭和41年(あ)第2101号

同46年3月24日大法廷決定・刑集25巻2号293頁,

同昭和42年(あ)第582号同47年3月9日第一小法廷判決・

刑集26巻2号102頁参照)。

 

そうすると,原審としては,本位的訴因については,

これを排斥した第1審裁判所の判断を前提とするほかなく,

職権により本位的訴因について調査を加えて有罪の自判をしたことは,

職権の発動として許される限度を超えたものであり,

違法というほかない

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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