有罪認定に必要とされる立証の程度としての「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義
(平成19年10月16日最高裁)
事件番号 平成19(あ)398
この裁判では、
有罪認定に必要とされる立証の程度としての
「合理的な疑いを差し挟む余地がない」の意義について
裁判所が見解を示しました。
最高裁判所の見解
刑事裁判における有罪の認定に当たっては,
合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証が必要である。
ここに合理的な疑いを差し挟む余地がないというのは,
反対事実が存在する疑いを全く残さない場合をいうものではなく,
抽象的な可能性としては反対事実が
存在するとの疑いをいれる余地があっても,
健全な社会常識に照らして,その疑いに合理性がないと
一般的に判断される場合には,有罪認定を可能とする趣旨である。
そして,このことは,
直接証拠によって事実認定をすべき場合と,
情況証拠によって事実認定をすべき場合とで,
何ら異なるところはないというべきである。
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