証拠開示を命じた判断が是認された事例

(平成20年9月30日最高裁)

事件番号  平成20(し)338

 

この裁判は、

警察官が私費で購入したノートに記載し,

一時期自宅に持ち帰っていた取調べメモについて,

証拠開示を命じた判断が是認された事例です。

 

最高裁判所の見解

原決定及び原々決定は,いずれも,

本件メモが証拠開示命令の対象となるか否かの判断において,

まず犯罪捜査規範13条に基づき作成した

備忘録(以下「13条書面」という。)に当たるか否かを検討し,

本件メモは13条書面に該当すると判断している。

 

しかしながら,本件メモが,広く,

「本件犯行の捜査の過程で作成され,

公務員が職務上現に保管し,かつ,

検察官において入手が容易なものに該当する」か否かを

問題とすることが適切である。

 

そして,そのような書面であると判断した後,

刑訴法316条の20第1項に規定する主張との関連性の程度,

必要性の程度,弊害の内容及び程度について判断することとなる。

 

そして,主張との関連性の程度,必要性の程度,

弊害の内容及び程度の判断については,原決定が

「弁護人に既に開示された証拠を見ていない裁判所が限られた資料から

その内容の必要性や相当性を否定するには慎重であるべきであって,

弁護人の観点からする検討の余地を与えることも重要である」

と述べていることは相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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