包括一罪とされた事例
(平成26年3月17日最高裁)
事件番号 平成23(あ)1224
この裁判は、
同一被害者に対し一定の期間内に反復累行された
一連の暴行によって種々の傷害を負わせた事実について,
包括一罪とされた事例です。
最高裁判所の見解
検察官主張に係る一連の暴行によって
各被害者に傷害を負わせた事実は,いずれの事件も,
約4か月間又は約1か月間という一定の期間内に,
被告人が,被害者との上記のような人間関係を背景として,
ある程度限定された場所で,共通の動機から繰り返し犯意を生じ,
主として同態様の暴行を反復累行し,その結果,
個別の機会の暴行と傷害の発生,拡大ないし悪化との
対応関係を個々に特定することはできないものの,
結局は一人の被害者の身体に一定の傷害を
負わせたというものであり,
そのような事情に鑑みると,それぞれ,
その全体を一体のものと評価し,
包括して一罪と解することができる。
そして,いずれの事件も,上記1の訴因における罪となるべき事実は,
その共犯者,被害者,期間,場所,暴行の態様及び傷害結果の記載により,
他の犯罪事実との区別が可能であり,また,
それが傷害罪の構成要件に該当するかどうかを判定するに足りる程度に
具体的に明らかにされているから,
訴因の特定に欠けるところはないというべきである。
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