ラジオ音声や目覚まし時計のアラーム音を大音量で流す行為による傷害
(平成17年3月29日最高裁)
事件番号 平成16(あ)2145
この裁判では、連日連夜、ラジオの音声や目覚まし時計のアラーム音を
大音量で鳴らし続けるなどして、
隣人のAに対して精神的なストレスを与えて、
全治不詳の慢性頭痛症、睡眠障害、耳鳴り症の傷害を
負わせた行為について、暴行によらない傷害罪が認められるかどうかが
注目されました。
最高裁判所の見解
なお,原判決の是認する第1審判決の認定によれば,
被告人は,自宅の中で隣家に最も近い位置にある
台所の隣家に面した窓の一部を開け,
窓際及びその付近にラジオ及び複数の目覚まし時計を置き,
約1年半の間にわたり,隣家の被害者らに向けて,
精神的ストレスによる障害を
生じさせるかもしれないことを認識しながら,
連日朝から深夜ないし翌未明まで,上記ラジオの音声及び目覚まし時計の
アラーム音を大音量で鳴らし続けるなどして,
同人に精神的ストレスを与え,よって,
同人に全治不詳の慢性頭痛症,睡眠障害,耳鳴り症の
傷害を負わせたというのである。
以上のような事実関係の下において,
被告人の行為が傷害罪の実行行為に当たるとして,
同罪の成立を認めた原判断は正当である。
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