公職選挙法の選挙における報道・評論の規制
(最高裁昭和54年12月20)
公職選挙法148条は、新聞紙が選挙の報道及び評論を
掲載する自由を認めていますが、
毎月3回以上、号を逐って定期に
有償頒布するものでなければならないと規定しているところ、
Xが立候補者の得票予想や立候補者の
批評をした新聞を発行しましたが、
この新聞が公職選挙法148条3項
この条件を満たしていなかったため、
起訴され、一審、二審で有罪とされ、
Xが上告しました。
最高裁判所は、
公職選挙法148条3項1号イの規定
(「新聞紙にあっては毎月3回以上」)は、
いわゆる選挙目当ての新聞紙・雑誌が選挙の公正を害し
特定の候補者と結びつく幣害を除去するため
やむをえず設けられた規定で、脱法行為を防止する趣旨であり、
立法の趣旨・目的からすると、同項に関する罰則規定である
同法235条の2第2号のいう選挙に関する「報道又は評論」とは、
当該選挙に関する一切の報道・評論を指すのではなく、
特定の候補者の得票について有利又は不利に働くおそれがある
報道・評論をいうものと解するのが相当であるとしました。
さらに、この規定の構成要件に形式的に該当する場合であっても、
もしその新聞紙・雑誌が
真に公正な報道・評論を掲載したものであれば、
その行為の違法性が阻却されるものと解すべきとし、
公職選挙法148条3項1号イの
「新聞紙にあっては毎月3回以上」の規定は、
憲法21条に違反しないとしました。
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